2016 Fiscal Year Research-status Report
磁性流体流動界面放電による汚染ナノ粒子・ミストの拡散抑制および浄化技術の開発
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16K14151
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西山 秀哉 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20156128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 聡司 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (70742394)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 機能性流体 / 流体工学 / 放電 / 磁性流体 / 液体界面 / 浄化技術 / ナノ粒子 / ミスト |
Outline of Annual Research Achievements |
微粒子回収用の革新的プレフィルターの開発を目的として、磁性流体スパイクを用いた微粒子流動吸着デバイスを試作し、微粒子回収性能および磁性流体スパイクまわりの流動特性を実験的に明らかにした。得られた結果をまとめると、以下のようになる。 1.微量の微粒子供給部を登載し、磁性流体スパイクを弱磁場でダクト壁面に保持した微粒子回収デバイスを設計・試作し、微粒子回収性能の評価方法を確立した。 2.磁性流体スパイクの高さは、磁性流体3mLの場合、無磁場で約2mm、磁場強度700Gで最大長さ約7mmで、磁場強度の増加に伴い減少し、1850Gで4.5mmとなり、磁性流体スパイクが硬化する。 3.磁性流体スパイクの流動性が微粒子回収効率に影響し、700Gで10%、1850Gで5%である。また、最初は吸着効率が磁場強度が700Gの時、空気流量が20NL/min、25NL/minでそれぞれ約50%、30%であり、微粒子の吸着に伴い、磁性流体スパイクの流動性が失われ、130秒後では、微粒子回収効率はそれぞれ約30%、約10%に減少する。 4.以上より、低磁場強度700Gで、空気流量が20NL/minの時、130秒後でも微粒子回収効率が約34%であることにより、磁性流体スパイクが微粒子回収用プレフィルタとして効果的であることが示唆された。 大気圧放電と液膜との相互作用を解明するために、大気圧下でコロナ放電あるいはアーク放電を液膜端面に発生させる放電液膜デバイスを試作した。放電下での液膜上部のイオン風や液膜内部流動構造を液膜内に発生したマイクロバブルにより、PIV法によって可視化した。また、分光法により液膜界面での浄化作用のある酸化種も同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26~27年度に実施した挑戦的萌芽研究の成果が基盤となり、研究展開が容易であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、微粒子回収効率を向上させるため、磁性流体スパイクと微粒子回収流路部との配置の最適化、微粒子流動の可視化解析を行う。また、電場を印加することにより、浮遊微粒子を耐電させ、磁性流体スパイクもバイアスし、微粒子回収への電場効果も検討する。
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Causes of Carryover |
成果の発表や研究調査のための旅費の支出が予想よりも少額であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額が10万円程度であるが、旅費や謝金に有効に使用する予定である。
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