2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K14155
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内山 知実 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (90193911)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロ水車 / 異物通過性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は,異物通過性に優れたプロペラ式マイクロ水車を開発することであるが,その初年度に計画されていた実験的研究をほぼ完遂できた.すなわち,異物挙動の観察と異物通過率の測定による,異物通過性の解明を実施した.その内容は,以下の通りである. まず,実験装置を製作した.中心軸の周囲に円形の空洞をもつプロペラランナを3DプリンターによりPLA樹脂で製作した.4枚の羽根をもつ平板翼列である.ランナ直径D1に対する空洞直径D2の比を中空率として定義し,D2/D1 = 0, 0.25, 0.375, 0.5を実験に用いた. つぎに,ポリエステル繊維をマジックハンドで掴んで水車の上流管へ運び,水流中へ導入し,水車を通過する際の繊維の挙動を観察した.ただし,質量0.5 gの繊維を直径約10 mmの球形に成形し,3分間隔で合計10 gの繊維を導入した.閉塞が生じた場合には,実験後に水車を分解してランナの前面を写真撮影した.繊維の挙動や閉塞に及ぼす中空率の影響を把握できた.水車効率も同時に測定し,導入した繊維の質量と効率の関係を明らかにできた. また,単位時間に導入したポリエステル繊維の質量m0に対して,水車を通過した質量m1の比m1/m0を異物通過率として定義し,異物通過率に及ぼす中空率の影響を解明した. 以上の実験的研究により,ポリエステル繊維による付着や閉塞を受けない,異物通過性に優れたプロペラ式マイクロ水車の開発の目途が立った.次年度に予定されている流れのシミュレーションとの併用により,開発が加速することはほぼ確実である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の実績の概要は,年度当初に計画した研究内容にほぼ沿うものであり,研究の進捗はほぼ計画通りである.また,実施した研究に対して,いくつかの新規成果が得られていることから,研究実施状況についても望ましい状態が継続している.
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように,本研究はおおむね良好に進捗しており,当初の計画通りの研究を着実に実施することになる. 今後は,従来の実験的研究に加え,流れのシミュレーションを併用した多角的な流動解析を通して,より高性能なプロペラ式マイクロ水車の開発を進めていく.
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Research Products
(2 results)