2016 Fiscal Year Research-status Report
光到達深度の波長依存性を利用した3次元粒子分布計測法の開発
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16K14175
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
角田 直人 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (70345437)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 近赤外分光法 / 粒子分布 / 対流 / マイクロ流路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,水の吸収帯中の複数の波長を用いることによって異なる深さの粒子反射画像を得て,マイクロ流路内の3次元粒子分布および速度分布を求めることが目的である。この実現のため,今年度は当初に計画していた(1)波長と光到達深度の調査と,(2)マルチ波長イメージングシステムの確立について主に取り組んだ.上記の研究課題(1)については,深さが1 mm前後のいくつかの流路を用いて,水の吸収帯のスペクトルを分光光度計により測定し,さらに吸光度の異なる波長を選択して近赤外高感度カメラにより波長ごとの吸収画像を取得した.これらのデータを分析し,深さごとの吸光度の違いを定量化した.特に,波長1400 nm付近に存在する水のν1+ν3吸収帯内で吸光度が大きく異なる3波長を順次照射して画像を取得した.これらは深さ情報の異なる画像となり,深度分解に有用であることが分かった.研究課題(2)については,高速フィルタホイールの使用とともに,AOTF型の多波長照射システムを用いて,多波長の画像を高速で取得することに成功した.以上の成果は本研究目的の有効性を実証するものであり,3次元粒子分布計測の準備が整った.また,研究成果については学術会議にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
波長と光到達深度の調査とマルチ波長イメージングシステムの確立という研究課題に関して,当初の計画通りに進めることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの実験と分析を引き続き実施するとともに、以下の項目を実施する。 (3) 水系ゲル中の3次元粒子分布の構成 (4) マイクロ流路内の3次元粒子分布および速度分布の構成 これらの内容は実験とデータ分析が中心であるため,効率よく研究を推進するために,研究協力者を増員し,また研究代表者のエフォートも多くする計画である.
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Causes of Carryover |
波長切り替えをAOTF型に変更したため、装置のセットアップにかかわる光学部品が少なくなったためである。ただし、これに伴い測定試料側の光路やマウントの変更の必要が生じており、次年度改造する計画である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
AOTF型波長切り替え光照射を測定試料に導入するための光学部品およびマイクロ流路の購入に充当する。
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