2016 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of TPB microstructure of SOFC by using 3D printers
Project/Area Number |
16K14177
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉田 誠 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80277847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中垣 隆雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30454127)
梅津 信二郎 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70373032)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高分散 / 粘性係数 / サテライト / 分散剤 / 溶媒 / インクジェット |
Outline of Annual Research Achievements |
SOFCのさらなる普及には発電効率の向上による材料費の削減が重要である.SOFC燃料極の反応場は,電子伝導,イオン伝導,反応ガス拡散経路の三相界面(TPB)である.従来の作製法では,粒子や空隙がランダムに配置され,三相がネットワークの断裂により有効なTPBが形成されず,平面的なTPBにとどまっていた.3Dプリンタを用いて積層し,立体的かつ有効率の高いTPBの微細構造を作成できれば,単位体積あたりの反応場が増加し出力密度の飛躍的な向上が期待できる. 本研究では,ピエゾ方式のインクジェットノズルをもつ3Dプリンタ「Dimatix」を用い,電極材のNiおよび電解質材のGDC(Gadolinium Doped Ceria)の微粒子が分散されたインクをノズルから良好に吐出されるように調整した.インクの分散媒には高濃度でも低粘度化が可能であり,かつ低揮発性を併せ持つベンジルアルコールを,バインダーにはPVP(Poly vinyl Pyrrolidone )を選定し,バインダーは低粘度を維持できる最大量添加した.さらに光学顕微鏡を用いた明度による分散性の評価から,極大値をとる分散剤の添加量を決定した. TPBの形成のためには均質な積層体の形成が必要であり,吐出時のサテライトの抑制が課題となる.サテライトは吐出液滴の先端と後端の速度差に起因する.ピエゾ素子に印加する波形を調整し,速度差を抑えた吐出によってサテライトを解決し,多層構造の有効なTPBの形成が可能となった.さらに,空隙のネットワークを確保した形状を実現するために,焼成後に揮散するUV硬化樹脂を用いて空隙を補填した.吐出後の流動や硬化前の乾燥の防止の観点から,樹脂には高粘度・低揮発性が求められるが,UV硬化樹脂にエポキシ樹脂を加えることで実現した.開発した空隙補填材を用いることで,目標の構造の2層積層に成功した.
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