2016 Fiscal Year Research-status Report
Previewed Reality -未来の可視化システムの構築-
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16K14199
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
倉爪 亮 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (70272672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 晃宏 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (60706555)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 知能ロボティクス / バーチャルリアリティ / ユーザインターフェース / 環境モデリング / 空間知能化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,近い未来に起こり得る出来事を自分の目で知覚できるPreviewed Realityの基本システムを開発した.このシステムは,モーションキャプチャカメラ(Vicon MX)などの様々なセンサを埋め込んだ情報構造化環境(Big Sensor Box),計測された情報から近い未来を予測する物理シミュレータ(Gazebo),予測された未来を現実世界の画像に重畳して提示する没入感ゴーグルディスプレイ(Oculus Rift DK2)からなる.没入感ゴーグルディスプレイの位置は,ゴーグルディスプレイに添付した光学式マーカを,モーションキャプチャカメラにより数ミリ精度で計測することで得られる.これにより,装着者の視点から知覚される画像が仮想的に合成でき,没入感ゴーグルディスプレイを通して装着者に提示できる.従って,ディスプレイの装着者が室内を移動しても,室内のどの位置でも適切な画像を合成し,提示できる.一方,室内のロボットの動作はあらかじめ計画されており,その計画された動作をもとに物理シミュレータにより近未来の環境の状態を予測する.その後,予測された状態をコンピュータグラフィックスで可視化し,没入感ゴーグルディスプレイで重畳表示することで,近い未来に起こり得る出来事を自分の目で知覚でき,未来の可視化システムPreviewed Realityが実現できる.今年度はこの基本コンセプトを実現するための実システムを設計,試作した.また基本性能の検証実験を行い,近未来のロボットの動作が装着者の視点で提示できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に予定していたPreviewed Realityの基本システム設計と性能確認実験は概ね終了しており,予定通りに進捗している.問題点としては,没入感ゴーグルディスプレイの位置取得から,画像の生成と提示までの時間(レイテンシ)が長く,酔いが生じやすいこと,キャリブレーションの誤差のため,画像重畳時に実画像とCG画像が若干ずれて表示されることがあげられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度も引き続き,前年度までに開発したPreviewed Realityの改良を加え,レイテンシの低減や重畳表示時のキャリブレーション誤差の低減などを行い,実運用可能なシステムの開発を進める予定である.レイテンシの低減は,没入感ゴーグルディスプレイの位置取得のタイミングと同時に画像生成を開始するようにアルゴリズムを変更する.キャリブレーション誤差は,実画像を取得するカメラのレンズ特性の厳密な測定を行う予定である.
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Causes of Carryover |
平成28年度は,システム開発を集中的に行い,詳細な検証実験を次年度に行うこととしたため,実験実施に必要な謝金を繰り越した.また研究成果をまとめた国際会議での発表も,すでに論文を投稿し,現在査読中であり,この発表に必要な旅費を次年度に繰り越した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
改良したPreviewed Realityシステムを用いて実証実験を行うための謝金,および国際会議での発表のための旅費として使用する.
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Research Products
(1 results)