2016 Fiscal Year Research-status Report
立体構造3相一体可変インダクタの開発と系統電圧安定化装置への応用に関する研究
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16K14206
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 健二 東北大学, 工学研究科, 教授 (70323061)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 可変インダクタ / 無効電力補償 / 電圧安定化装置 / 電力系統 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度においては,まず立体構造の3相一体可変インダクタについて,有限要素解析(FEA)並びに申請者らが考案した磁気回路網解析(RNA)を用いて,先行研究で開発した平面構造の3相一体可変インダクタと特性の比較を行った。その結果、無効電力制御特性と出力電流歪み率については両者ほぼ同等の性能であった。一方,漏れ磁束については立体構造の方が平面構造よりも小さいことが明らかになった。また,平面構造では磁心外周方向に磁束が漏れるのに対して,立体構造では磁心積層方向に磁束が漏れるため,可変インダクタを収めるケースから見ると,平面構造では漏れ磁束がケース面に垂直に鎖交するのに対して,立体構造では平行になるため,ケースに生じる渦電流も抑制できることが期待される。 次いで,上記で得られた結果を実証するため,小型の立体構造3相一体可変インダクタの設計と試作を行った。定格電圧と定格容量は,大学の実験室で取り扱うことを勘案して,3相200 V,4 kVAとした。試作器の特性を測定した結果,設計通りの性能が得られること,また周囲空間への漏れ磁束が小さいことを実証することができた。 さらに,高圧配電系統への適用を想定し,定格電圧6.6 kV,容量100 kVAの立体構造の3相一体可変インダクタを設計し,ケースに生じる渦電流をFEMを用いて解析した。その結果,従来の平面構造に対して1/3程度まで渦電流損が小さくできることが明らかになった。これは実用化を考える上で極めて重要な結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
次年度に試作予定であった可変インダクタを,今年度に試作し,実験まで行えたため,当初計画以上に進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定よりも順調に進んでいるため,可能であれば,次年度は改良器の試作を行いたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は,今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度請求額と合わせ,平成29年度の研究遂行に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)