• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2016 Fiscal Year Research-status Report

高温超伝導コイルを利用した高速アルミ溶解技術の研究

Research Project

Project/Area Number 16K14210
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

福井 聡  新潟大学, 自然科学系, 教授 (70293199)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords高温超伝導コイル / 誘導加熱
Outline of Annual Research Achievements

電磁界解析と熱解析を連成させて,静磁界中でアルミ材料を回転させたときの渦電流発熱を数値解析するモデルを開発した。この解析モデルを用いて,我々の所有する電磁石の磁極間に配置した円柱状のアルミ材料を回転させて渦電流発熱させる小型の検証装置を設計した。解析結果に基づくと,電磁石の磁極間隔を15mm以下にする必要があるため,当初想定した装置よりも小規模のものとなった。測定可能な温度上昇を得るためには,5000rpm程度の回転数が必要であることが分かったので,新たに小型・高速回転のモータを入手し,装置の製作を行った。現在,この検証装置を用いて,アルミ材料への流入熱量の実測を実施している。このモデル検証は平成29年度も引き続き実施する。
上記の数値解析モデルを用いて,誘導加熱運転で想定される反作用交流磁界の解析を行った。同時に,アルミ材料とHTSコイルの間に変動磁界を遮蔽する薄肉の銅円筒を配置した場合の解析も行った。その結果,適切な厚みの遮蔽円筒を配置することにより,大幅に変動磁界を低減でき,十分な厚みの遮蔽円筒を配置すればHTSコイルには悪影響を及ぼすほどの変動磁界は加わらないことがわかった。現在,最適な厚みを数値解析により評価することを行っている。HTSコイルの安定性と保護を両立するコイル構造として,ターン間絶縁の無いHTSコイル(No-insulation coil:NIコイル)が提案されているが,遮蔽円筒で変動磁界を大幅に低減できれば,このNIコイルを適用できる可能性があることが判明した。そこで,小型のNIコイルを用いた評価をH29年度に実施することにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

電磁界解析と熱解析を連成させて,静磁界中でアルミ材料を回転させたときの渦電流発熱を数値解析するモデルを開発し,小型の検証装置を設計した。当初の想定よりも小規模なものであるが,検証装置の製作を行い,測定・評価を進行中である。当初の計画通り,この装置によるモデル検証は平成29年度の前半には終了する予定である。
また,誘導加熱運転で想定される反作用交流磁界の解析結果から,アルミ材料とHTSコイルの間に変動磁界を遮蔽する薄肉の銅円筒を配置することにより,大幅に変動磁界を低減できることを示すことができた。十分な厚みの遮蔽円筒を配置すれば,HTSコイルには悪影響を及ぼすほどの変動磁界は加わらないことが分かり,安定性と保護を両立できるNIコイルを適用できる可能性が分かってきた。そこで,NIコイルの適用性について、小型のNIコイルを用いた評価をH29年度に実施することにした。

Strategy for Future Research Activity

本年度は以下の項目について研究を行う。
① モデル検証:H28年度に製作した検証装置により,アルミ材料の渦電流発熱等の評価を引き続き行う。数値解析結果との比較からモデルの妥当性を検証する。
② アルミインゴットからの誘導磁界の低減手法:アルミ材料とHTSコイルの間に変動磁界を遮蔽する薄肉の銅円筒を配置した場合の数値解析を行い,遮蔽円筒の最適な厚みを評価する。
③ 高温超伝導線材の超伝導特性を考慮したHTSコイルの最適化設計:H28年度の研究成果より,NIコイルの適用可能性が見えてきた。研究計画段階では,本装置へのNIコイルの適用は想定していなかったが,本研究で対象とする誘導加熱装置のHTSコイルにNIコイル方式を適用できれば,保護と安定性の確保が飛躍的に向上できる。そこでH29年度は,NIコイルの適用しを視野に入れた,誘導加熱装置用のコイルの設計を数値解析を用いて実施する。上記②の結果から,遮蔽円筒を配置した場合の漏れ変動磁界の大きさを評価する。小型のNIコイルを作り,数値解析で得られた変動磁界下での通電特性を評価する。

Causes of Carryover

本誘導加熱装置では,アルミ材料の渦電流が発生する変動磁界がHTSコイルに印加されるため,ターン間絶縁のある一般的なHTSコイルを用いることを想定していた。平成28年度に実施した数値解析結果から,適切な遮蔽円筒をアルミ材料とHTSコイル間に配置すれば,この変動磁界をHTSコイルに悪影響が及ばない程度まで低減できることが分かった。ターン間を非絶縁にするNIコイルは,安定性や保護を飛躍的に向上できる巻線方式であり,これを適用できれば本装置実用化の大きな障壁のひとつを解決できる。そこで,HTSコイルの評価については,NIコイルの適用性に注目することにした。

Expenditure Plan for Carryover Budget

試験用の小型NIコイルを2-3個試作する。そのためのHTS線材を購入し,巻枠はGFRP等の材料を購入し,自作する。巻線作業は巻線業者に外注する。実験に必要な消耗品や冷媒(液体窒素)を購入する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 高温超伝導コイルを用いた誘導加熱によるアルミ溶解実証装置の開発2017

    • Author(s)
      福井 聡
    • Organizer
      電気学会 超電導機器研究会
    • Place of Presentation
      新潟大学 トキメイト(新潟県新潟市)
    • Year and Date
      2017-01-19 – 2017-01-20

URL: 

Published: 2018-01-16  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi