2016 Fiscal Year Research-status Report
深紫外線波長で巨大な励起子効果を発揮する窒化ボロン半導体の発光ダイナミクス
Project/Area Number |
16K14222
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
秩父 重英 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80266907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 一信 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (30534250)
原 和彦 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (80202266)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | BN / 光電子銃 / フェムト秒レーザ / フェムト秒集束電子線 |
Outline of Annual Research Achievements |
グローバルスケールの水不足問題解決や各種励起光源の小型化を目指して、固体深紫外線光源の実現が期待されている。本研究では、バンドギャップ波長が深紫外線にある、六方晶窒化ボロン(h-BN)微結晶及びエピタキシャル膜における励起子の輻射・非輻射再結合ダイナミクスを明らかにして深紫外線発光素子を実現するため、(i)禁制帯幅の広い半導体を励起可能であるが、発生困難なフェムト秒パルス電子線を発生し、(ii)それをナノメートル台の微小領域に集束する、日本唯一の時間・空間同時分解蛍光計測技術の高機能化を行って、(iii)h-BNの励起子発光寿命や拡散長計測を行うことを目的としている。 平成28年度は、h-BN微結晶におけるピコ秒台の励起子発光過程を観測するため、表面を原子層レベルで平坦化させたAuを、走査型電子顕微鏡(SEM)の電子銃の位置よりも被観測試料から離れた位置に設置してバイアスし、紫外線に対して透明なガラスを通してフェムト秒チタンサファイヤレーザの第3高調波を前面側から照射し、高輝度フェムト秒パルス電子線を発生させることに成功した。また、かようにして得られた光電子を、多段電界加速機能と集束機能によってSEMの電子線源位置に導入し、電子線をナノメートル台の微小領域に集束することもできた。かようにして、前面光入射型STRCL計測系を構築した。 更に、h-BN微結晶やエピタキシャル薄膜のSTRCL計測への準備として、それら試料の静的発光スペクトルや時間分解発光計測の一部を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度には、研究実績の概要欄に記したように、交付申請書に記した平成28年度の実施計画どおり研究が進展した。従って、(2)の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に記載した、平成29年度の実施計画を基本として、静大原和彦教授グループから提供されるh-BN微結晶・エピタキシャル薄膜のSTRCL計測を行い、励起子の輻射・非輻射再結合寿命の温度依存性および空間不均一性を定量化してデータを原教授にフィードバックし、結晶成長の最適化の指針を与える。 研究を阻害する課題は特にない。
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Causes of Carryover |
H28年度の研究遂行上、「物品を購入して実施遂行する実験」の無計画な先行よりも、「代表者や共同研究者の頭脳考察を必要とする物理学的な考察と方針の見直し」を先行させたため、実験関係の予算消化が当初予定よりは遅れている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者による結晶成長は予定通り進行している。また、それら試料群の静的発光スペクトル計測や時間分解発光計測による測定結果も得られ始めており、それらに基づく考察から結晶成長へのフィードバックも進めてきているので、予算消化は予定通りに終了する。とする物理学的考察を先行させたため、予算消化が遅れている。
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Research Products
(2 results)