2016 Fiscal Year Research-status Report
赤外熱画像伝送のためのチューブリーキーファイババンドル
Project/Area Number |
16K14241
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松浦 祐司 東北大学, 医工学研究科, 教授 (10241530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木野 彩子 東北大学, 医工学研究科, 研究支援者 (30536082) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中空光ファイバ / 赤外サーモグラフィー / フォトニッククリスタルファイバ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,内視鏡下での温度画像観察を可能にする細径な赤外光イメージ伝送路を実現するために,複数の空孔がハニカム状に配列されているバンドル型チューブリーキー導波路の開発を行うことである.今年度はまずガラス線引法による導波路作製を試みた.現有の線引き装置を利用し,誘電体薄膜として機能するガラス材料は,比較的低温で線引き可能でかつ可視から中赤外までの広い透過域を有するホウケイ酸ガラスを利用した.あらかじめ先端を封止した直径1 mm程度のガラスキャピラリを20 mm径程度のガラス管に挿入してプリフォームを形成し,それを900℃程度に加熱延伸することでバンドルを形成するが,ここでキャピラリ内部を加圧,外部を減圧することにより,キャピラリ間のデッドスペースをなくし,有効面積を最大化することに成功した.そしてガラス膜厚の制御は,プリフォームに利用するガラスキャピラリの肉厚,線引時の延伸比,および付加圧力差によって行い,対象とする波長3-5 ミクロンで低損失となる膜厚を得ることができた.そして硬性内視鏡への応用を考え,製作した長さ30cmのファイババンドルと直径2mmのハーフボールレンズを用いて,内視鏡に挿入可能な細径なイメージングプローブを構築した.このプローブとInSbサーモグラフィーカメラとを組み合わせた熱画像観察システムを構成し,熱画像伝送実験を行ったところ,体温程度のサンプルの熱画像を得ることに成功し,最低検出温度が32.0 ℃,体内温度付近での温度の分解能が0.7 ℃という実用レベルの性能を有していることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度は線引き法によるバンドルファイバ製作および製作したファイバの基本的伝送特性の評価の2項目の実施を予定していたが,予定よりさらに進展し,実際に熱画像伝送が可能なシステムの構築およびその特性評価まで到達した.またこの成果はジャーナルに掲載され,国際会議でも発表し大きな反響があった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は熱画像伝送システムの性能向上を目指し,バンドルファイバを構成するそれぞれのファイバ素子の直径にばらつきを与えることにより,ファイバ間のクロストークを低減し,解像度を改善する.そのための理論的な設計およびファイバ製作工程の最適化を行う予定である.
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Research Products
(6 results)