2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K14262
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
本間 尚樹 岩手大学, 理工学部, 教授 (70500718)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アンテナ / 測位 / 給電回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は無線ビーコン装置と簡易な高周波回路を組み合わせることによって,振幅情報だけでビーコンからの信号出発角を計算し,複数ビーコンからの出発角情報を用いることで三角法による高精度位置推定を実現するものである。振幅情報は,見通し環境では主に放射指向性によって決定付けられるため,その指向性を正しく実現することが精度に大きく影響する。提案法ではアナログの高周波回路(アンテナ給電回路)によってアレーアンテナ素子に所望の位相差を与え指向性を実現する。そのため,この回路の実現精度が位置推定精度に直接影響する。そこで,本年度は誘電体基板上に全ての回路素子をプリントにより構成する方法について検討してた。電磁界シミュレータで実現位相誤差が数度未満になるよう設計し,試作によって所望の位相差が得られることを確認した。また,高周波回路からの放射が,アンテナ指向性に与える影響を抑制するために回路全体をシールドするなどの工夫により精度向上を図った。続いて,試作したアンテナと回路を一体化し,実際のビーコン装置を用いて基本性能の評価を行った。本手法では出発角の推定精度が重要であるため,提案ビーコン装置を用いて実際に出発角の推定実験を行った。その結果,出発角推定精度は約2度であることが分かり,これは10m離れた地点では0.35mの位置精度に相当する。従って,本評価によって,設計・試作したアンテナおよび回路を用いることによって,十分高い位置推定精度が見込まれることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は0.7m程度の測位誤差を実現することを目標としていたが,試作ハードウェアの基礎評価によって期待以上の精度が得られ,位置推定誤差に換算すると0.35mと予想以上の測位精度が期待できることが分かったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しており,その28年度に得られた成果をもとに測位精度をフィールド実験によって明らかにする。そのために,まず複数のビーコン装置を試作し実験系全体を構築する。さらに測位アルゴリズムについても改良を加え,世界トップレベルの測位精度が得られることを実証する。
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Research Products
(1 results)