2016 Fiscal Year Research-status Report
駆血時の超音波後方散乱特性計測による赤血球凝集度と疾病との相関に関する研究
Project/Area Number |
16K14272
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金井 浩 東北大学, 工学研究科, 教授 (10185895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧 宏文 東北大学, 医工学研究科, 特任准教授 (40467460)
石垣 泰 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50375002)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 赤血球凝集 / 超音波後方錯乱 / 糖尿病 / 静脈血 / 非侵襲定量計測 / レイリー散乱 / CRP(C反応性たんぱく)血液検査 / ヘモグロビンA1c |
Outline of Annual Research Achievements |
静脈内赤血球からの散乱波スペクトルの,血管壁からの反射スペクトルによる正規化の検討 超音波診断装置(中心周波数: 40MHz,波長: 40μm)を準備し,皮膚に近い静脈内腔へ超音波を照射し,その受信出力を1 GHzで標本化し,周波数スペクトルPs(f, d)を求めた。このスペクトルには,超音波トランスジューサ(プローブ)の送受信や伝播経路の特性等が含まれ,散乱パワーの理論特性とは大きく異なることを実験的に確認した。 このための対策として,血管後壁からの超音波の反射波特性を計測し,超音波トランスジューサの伝達関数等の特性Pr(f, d)を求め,それらの比log10{Ps(f, d)/Pr(f, d)}を求めて正規化を行った。これにより,超音波トランスジューサ(プローブ)の送受信や伝播経路の特性が除去された。こうして得られた正規化スペクトルの傾きを,理論特性と値と比較することによって,散乱体サイズの決定を行った。 しかし,後壁の背後の血管壁の構造が,内膜・中膜・外膜の3層構造になっているため,Pr(f, d)のスペクトル特性に凹凸が現れた。このため,正規化によっても理論的な特性が得られないため,特別な対策が必要となった。そこで,内膜と中膜の間隔約200~300μmを自動検出し,内膜波形だけを切り出してスぺクトル特性を求め,正規化に活用した。最後にこの方法が,研究室の数名の健常者においても適用できるかを実験的に検討し,精度が十分であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画・方法:H28年度の計画に記載の内容どおりに,研究が進んでいることを確認できるため。 この研究の意義として,現状の生理検査値との対応関係を調べる必要があるが,これらを病院で患者に適用することは,今後困難が予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
本手法の医学的意義を求めるためには,現状の生理検査値との対応関係を調べる必要がある。しかも,その生理検査値を計測するときと,ほぼ同じ時刻に,本手法を適用する必要がある。それは,本手法による計測値が,食事やコーヒーの飲食によって,かなり大きな影響を受ける可能性があるためである。1日の生活の中で,本検査値がどのように変化するか,を予め調べて,病院における患者への適用においても,空腹時に行うなどの工夫を行う。
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Research Products
(13 results)