2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K14284
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉江 俊治 京都大学, 情報学研究科, 教授 (80171148)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | システム同定 / 閉ループ同定 / 線形システム / 非線形システム / マルチエージェント |
Outline of Annual Research Achievements |
全体の一部であるサブシステムのモデルを構築する場合、サブシステム間のネットワーク結合のため、閉ループ系として取り扱う必要がある。他のサブシステムは未知であるため、これらの詳細情報を必要とせず、当該サブシステムに加わる入力信号と出力信号のデータのみからモデルを構築するシステム同定が必要となる。H29年度は、長いデータを圧縮して用い、核ノルム最小化によりモデル次数を適切に選択する手法について、データ圧縮の適切な方法を含め、一定の枠組みを提示した。一方で、数少ないデータから、機械学習的な手法を援用することにより、ノンパラメトリックなモデルを得るシステム同定手法についても新たに検討した。まだ基礎段階であり、開ループシステムを前提としたものであるが、モデル精度向上に有益なシステム同定用の入力信号選択法について、知見を得た。これはあるクラスの非線形システムにも拡張できるものである。 スケーラブルな分散最適化については、マルチエージェントシステムのフォーメーション制御を例に取り、分散化の基礎となる手法を提案し、数値検証を含めその有効性を確認した。さらに。この手法を階層化して適用することにより、スケーラビリティーが確保できることを数値例により検証している。また、制御パラメータチューニングに関して、カーネル関数を利用する新たな方法を提案し、基礎検討をおこなった。これは原理的には非線形システムにも適用可能な手法である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
線形システム部分の閉ループ同定に関しては、他のサブシステムが非線形システムであっても、そのモデルを構築する手法について、その有効性の検証をすすめた。また、最適化チューニングおよび分散化について、あらたな成果を得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、得られた結果を基礎として、研究を進める。特に、制御に関する分散最適化に関してさらに進展させる。非線形システムに対応可能なパラメータチューニングについても検討を継続する。
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Causes of Carryover |
29年度にみこんでいた成果発表旅費に関して、当初予定よりも日程を短縮せざるをえなかったため。次年度の成果発表旅費の一部に繰り入れる予定である。
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Research Products
(8 results)