2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Control Theory for Unbounded-Variation Systems Based on Rough Path Analysis
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16K14287
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西村 悠樹 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (20549018)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非線形制御 / ラフパス解析 / 確率システム / 安定論 / 非ホロノミックシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は,不規則雑音のような非有界変動過程が含まれるシステム(非有界変動システム)の安定化問題についての基礎理論を構築するための足固めを行うものである.より具体的には,ラフパス解析によって非有界変動システムのダイナミクスを記述し,同システムのリャプノフ安定論を展開するとともに,隠れたダイナミクスを陽に表す「修正項」を用いた制御戦略を開拓し,さらに外乱としての非有界変動信号による修正項を同定もしくはモデリング手法の構築を目指すものである. 延長期間である令和元年度の主たる目標は,ラフパス解析に基づくシステム制御理論が確率リャプノフ安定論を更に発展させるための足掛かりを作ることと,当該理論による非線形システムの可制御性解析方法をまとめること,ならびに,非ホロノミックシステムの制御問題に応用することであった。これらについて実施し,十分な結果を得た。具体的には,ラフシステムの安定論において常微分方程式とは異なる「隠れたダイナミクス」が励起されるかどうかをFinalizationという操作に代表させ,隠れたダイナミクスが励起された場合の可制御性に関する十分条件を得た。また,非ホロノミックシステムの代表の一つであるチェインドシステムにラフ信号を加えて制御設計を容易にした。 以上の結果により,本研究課題はある程度の十分な成果を得たと言える。令和2年度からは,本研究課題の成果を基礎として新しい基盤研究課題に取り組む。その課題においては,本研究課題と同時期に終了した同一研究代表者による基盤研究の結果をも融合し,非線形ラフシステム制御理論の構築を目指す予定である。
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Research Products
(8 results)