2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of heat treatment system by small and portable induction heating device for repair weld of steel bridge
Project/Area Number |
16K14297
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
廣畑 幹人 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (50565140)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 鋼橋 / 補修補強 / 溶接 / 高周波誘導加熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
鋼橋における腐食や疲労損傷に対する補修方法として採用事例の多い当て板継手を対象として,溶接補修で生じる残留応力を低減するための熱処理を高周波誘導加熱装置で実施する方法を検討した. まず,当て板溶接で生じる残留応力の特徴を実験および数値シミュレーションにより検討し,当て板に覆われた被補修部に圧縮残留応力が生じることを明らかにした.このような残留応力分布は当て板継手の特徴であり,ピーニングなどの当該箇所を直接処理する方法では残留応力の改善が困難である.当て板に覆われた部分も含めて残留応力を除去するため,当て板の外側から加熱コイルを設置して熱処理を行う条件を探索した.結果的に,被補修部材側の片面からコイルを近接させて加熱することにより,19mmの厚さの部材に対しても熱処理が行えることを明らかにした.この加熱方法により,当て板の外側だけでなく,当て板に覆われた被補修部の残留応力も低減できることを明らかにした.さらに,比較的小型の供試体で検討した結果を実構造レベルまで展開することを想定し,熱処理過程をシミュレーションする方法を構築した.これにより,複雑な形状の実構造物に対し,熱処理を行うために必要な加熱範囲や加熱時間を探索するためのツールとして活用できるシミュレーション手法が提案できた. 一方,残留応力を熱処理により低減した当て板継手の疲労実験および圧縮実験を行い,残留応力の低減が耐疲労性および耐荷性の向上に寄与することを明らかにした.
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