2016 Fiscal Year Research-status Report
ナラティブ・アプローチによる土木技術者のリーダーシップ学習教材の開発
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16K14321
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松村 暢彦 愛媛大学, 社会共創学部, 教授 (80273598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽鳥 剛史 愛媛大学, 社会共創学部, 准教授 (30422992)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナラティブアプローチ / リーダーシップ / 土木技術者 / インタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
リーダーシップは、意図や目的を達成する影響力の行使プロセスと一般的に定義される。したがって、組織の社会的使命や目的によって重点の置き方が異なってくる。最近では、変革型リーダーシップ、カリスマ型リーダーシップなどのリーダーシップ理論が提出されているが、「将ノ将タル」ことを求められている土木技術者は、既存のリーダーシップ理論を無批判に当てはめるのではなく、現場発のリーダーシップを解明していくことが必要となる。以上のような既往のリーダーシップ研究を概観した上で、ナラティブ・アプローチによるリーダーシップ研究を機能的アプローチ、解釈的アプローチに分けて文献調査により意義と課題について整理した。土木技術者のリーダーシップ開発のための研修実態を関連組織や企業の研修実施者へのヒアリング調査等を実施し、土木技術者のリーダーシップ開発にナラティブ・アプローチを適用する有用性を検討した。 多様な組織の土木技術者に金井らのリーダーシップインタビュー調査項目を参考にインタビューを実施した。その際には、土木技術者のナラティブをキーイベント法によって収集した。録音された内容をテープ起こしを行うとともにインタビュー風景を撮影し、デジタル化した。 収集したナラティブをテキスト解析した上で、Griffinによるイベント構造分析を適用し、ナラティブ構造の因果関係を読み解き、研究材料であるナラティブの主要なイベントを時系列的にコーディングし、イベント間の関係をダイアグラムとして示すRiessmanの物語分析のプロセスに従って各ナラティブの構造を比較、カテゴリーの形成を行うことで、リーダーシップに対する一次的構成概念の導出を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各分野のリーダーシップ理論を整理し、土木技術者に適用するのに適していると考えられるサーバントリーダーシップ理論に関するレビューを行うとともに、様々な土木技術者にインタビュー調査を行うなど概ねスケジュール通り進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き土木技術者のインタビュー調査を行う。さらに、リーダーシップの一次的構成概念とサーバント・リーダーシップ理論との対応関係を明らかにし、サーバント・リーダーシップ理論の役割モデルとしての妥当性を検証し、リーダーシップ教材を作成する。そのうえで、その教材評価を行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
土木技術者のインタビュー調査の旅費を計上していたが、他の出張と併せてインタビュー調査を行い旅費を節約したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定していた土木技術者よりもより多くの技術者にインタビュー調査を行って、リーダーシップ教材の充実をはかる予定。
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