2016 Fiscal Year Research-status Report
疑似可展面を用いた初期応力を有する曲面構造の設計法
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16K14338
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大崎 純 京都大学, 工学研究科, 教授 (40176855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 景耀 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (50546736)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 可展面 / 膜構造 / グリッドシェル |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ベジエ曲面による可展面の定義:ベジエ曲面を導線とする可展面を,可展条件を制約した最適化問題を解くことによって生成する方法を提案した。また,勾配の連続性を維持し,曲率の不連続性は許容して可展面を接続するための条件を導いた。最適化の過程で,まず許容解が存在することを確認するため,ダミーの単純な関数を目的関数として最適化することが有効であることを示した。提案した手法を用いて,さまざまな荷重条件の下での最大応力を最小化する可展面を求めて,形状の特徴を考察した。 2.疑似可展面の定義:平面に微小な面内変形とねじり変形を与えて生成される曲面と,それらを接続して生成できる「疑似可展面」と定義した。また,平面の変形量の範囲を与えることにより,生成可能な曲面の局所的形状の範囲を,基本計量と主曲率を用いて定量的に表現するための基礎式を検討した。 3.グリッドシェルの形状設計:複数の板に初期曲げを与えて接続し,拘束を解放することによって曲面を生成するための準備として,梁を曲げて接合することによって形成されるグリッドシェルの設計法を開発した。本手法は,梁が座屈した形状であるエラスティカを離散化した「離散的エラスティカモデル」に基づき,エネルギー最小化問題を解いて,曲げと軸力で自己釣合い状態にある形状を求めることができる。 4.可展面を基準とする膜構造の設計法:膜構造は,平面裁断膜に面内変形と曲げを与えて生成される。また,面内変形は微小であるため,平面裁断膜を変形させて生成される膜曲面は,可展面に近いものと考えられる。そこで,上記1の方法で生成された可展面を平面に展開し,目標応力に適合するひずみを用いて縮小した平面を裁断図とする。この裁断図を張り合わせて得られる曲面の平均応力は,目標値に近いことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載した事項が概ね達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
模型製作を通じて,本研究で提案する手法の妥当性を検証する。
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Causes of Carryover |
購入を予定していたPCを他の経費で購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は模型製作のための多くの経費を使用する。
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Research Products
(6 results)