2017 Fiscal Year Research-status Report
粒子画像を用いた風速・濃度の高解像度同時測定手法の開発
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16K14344
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊本 英紀 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (80708082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90251470)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 建築環境・設備 / 自然現象計測 / 大気現象 / 防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は粒子画像を用いた風速・濃度の高解像度同時測定手法を開発し、風洞実験における風速および濃度分布計測値の飛躍的な高解像度化を目指すものである。まず、風洞実験における濃度測定に粒子画像流速測定法(PIV)で用いられる粒子画像を活用し、高解像度な濃度測定手法の開発を行う。さらに本濃度測定手法とPIVを組み合わせることにより、風速、濃度の高解像度同時測定手法の開発を行う。本開発手法を用いた風洞実験により、従来の熱線風速計や高応答炭化水素濃度計による点計測では取得が困難であった環境情報の面データをもとに、都市空間における汚染物質の高濃度域の検出、拡散経路の追跡などを実現する。これまでに、特に下記の課題に取り組んだ。①境界層風洞において、粒子画像の試計測を行った。また、そこで得られた粒子画像から輝度値を取得し空間中の粒子濃度を評価するプログラムを開発した。②境界層風洞において、都市空間内での汚染物質の拡散現象に関する実験を行った。同実験では、従来型の高応答炭化水素濃度計を用い計測点ごとの平均濃度および濃度変動の標準偏差を計測した。ここで得られたデータは、今後本研究で開発する濃度計測手法の精度評価に用いられる予定である。③本開発手法を適用し、都市気流およびその中での汚染物質濃度の計測を行う予定であるが、風洞実験において適切に都市気流をモデル化するため、接近流の平均風速やその他乱流統計量を計測し、ラフネスやスパイアなど境界層生成装置の調整を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
粒子画像による濃度の高解像度計測手法のプロトタイプを開発し、それを用いた試計測を行ったが、実験データの分析によりトレーサー粒子の粒径のばらつきが大きく、測定データの不確かさが想定よりも大きいことが明らかとなった。粒子の生成法の改善も含め、計測手法の高精度化を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
粒子画像の輝度値から濃度を評価する手法の高精度化と不確かさ評価を行う。粒子生成法の改善や濃度と流速の同時計測手法の開発を行う。本開発手法を用いて境界層風洞において都市空間モデル内での気流および濃度分布の計測を行う。
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Causes of Carryover |
本開発手法では、多量の画像データの取得とその解析が必要となるため、大容量のデータストレージと解析用のワークステーションの購入を予定していた。しかし、今年度は基本的なアルゴリズム開発と試計測を行っていたため、データ量も抑えられ、既存の計算機資源で十分に解析を実施できた。
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