2017 Fiscal Year Research-status Report
住居取得における将来展望を促すニーズ検討手法の研究開発
Project/Area Number |
16K14350
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小島 隆矢 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90292888)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 住宅 / 住居取得 / 居間 / 評価グリッド法 / 個別尺度法 / アンケート調査 / 満足度 |
Outline of Annual Research Achievements |
住居取得時に将来を含めた住生活に関する展望のないままに意思決定することの悪影響が、その後の住生活において様々な形で現れることが懸念されている。 そこで本研究課題では、住居取得者への調査を実施し、上記悪影響の実態を把握する(課題Ⅰ)。また、この問題を解決するため、建築分野において提案され実務的にも活用が進んでいるニーズ把握手法である「評価グリッド法」をベースに、キャリア教育分野における手法やノウハウを取り入れ、住居取得時に将来展望を含めてニーズ検討を行うために役立つ手法の研究開発を行う(課題Ⅱ)。さらに開発した手法を現実の住居取得場面において実務的に試行適用し、PDCAサイクルに基づき実践的に成果手法の改良やバリエーション整備をはかる(課題Ⅲ)。 本年度の主な研究実績は,まず課題Ⅰに関して、住居取得者層を対象としたインターネット調査を行った。前年度に実施した事前調査に基づき,住居取得後3年以内の人を抽出し、該当者約950名より有効回答を得た。調査内容は、個人・家族・住居に関する基礎的属性、住居取得時の検討状況(とくに将来の住生活像の展望状況)、入居後の生活状況の変化、変化に対する対応状況および評価、アウトカム変数として住居満足、生活満足、主観的幸福度などである。本調査の回答者層には次の年度にも調査を実施し,縦断データとして分析予定である。分析にはSEMを適用し,住居取得時の検討状況がその後の住生活や満足度・幸福度に影響を及ぼす様子を表現する因果モデルを構成する。 課題Ⅱに関しては、評価グリッド法を含む定性調査に関する手法研究論文2本が採用に至った(投稿は前年度である)。また,住宅リビングルームのインテリア設計を対象に,一般ユーザーと設計者の語彙・認知構造の違いを把握する調査研究を実施した(現在,査読論文を投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題Ⅰに関して,昨年度に変更した研究計画通りに調査を実施できた。すなわち,昨年度(初年度)に断面調査を実施し,今年度(2年目)に縦断調査の1回目にあたる調査を実施した。 また,課題Ⅱに関して,査読論文の採用2本,投稿中1本と,順調に成果を公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
次の年度は最終年度にあたるが,課題Ⅰに関しては縦断調査の2回目にあたる調査を実施する。課題Ⅱ(手法検討)の成果をふまえて,課題Ⅲ(現実場面での試行適用)を遂行する。 おおむね研究計画通りに進める予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)今年度に実施した「縦断調査の1回目」にあたる調査(住居取得の直前・直後(3年以内)の人を対象としたアンケート調査)の該当者数が想定より小さく,結果的に費用が節約された。 (使用計画)次年度に追加の調査を実施する。今回節約された予算はその実施費用にあてる。
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Research Products
(2 results)