2018 Fiscal Year Annual Research Report
Environmental Influence on Concentration and Attention Restoration in Active Learning Situation
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16K14353
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 ゆりか (今井ゆりか) 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20251324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 勝樹 女子美術大学, 芸術学部, 教授(移行) (20230659)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アクティブ・ラーニング / 集中度 / 小学校普通教室 / 美術館・博物館 / 注意回復 / 回復環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、昨年までの実験・フィールド調査をもとに分析・考察を進め、研究成果をまとめて発表することを主とした。 本研究ではアクティブ・ラーニングの中でも主に2つの場面での学習を取り上げ、その場面での学習者の集中について考察した。1つは美術館における自由度の高い鑑賞学習であり、もう一つは学校教室における学習である。 前者については、これまで鑑賞後に行う行動によって鑑賞した作品の記憶が異なるという実験結果を提示し、鑑賞後に通る環境がどのような行動を誘発するかによって鑑賞学習の記憶が影響を受けることを結論づけた。また、一定の作品鑑賞後に静かな非展示空間がある美術館と、作品が最後まで連続的に続く美術館では鑑賞者の生理状態が異なり、そのことが鑑賞学習に影響を及ぼす可能性を示唆することができた。本年はこれを国際会議発表としてまとめ、EDRA50ブルックリン会議に採択された。さらに実際の美術館における鑑賞者の行動観察調査を進め、どのような非展示空間が実験で明らかになったような静かな行動を誘発し鑑賞学習を定着させるのかについて考察した。また補足調査として、海外の先進的美術展の子供向けプログラムの運営者にインタビューをし、一定の鑑賞後に適切な回復環境に誘導することが効果を奏しているとの実証を取材することができた。 後者の学校教室については、従来議論されてきたように教室の壁の開閉の度合が児童の集中に直接影響を及ぼすわけではなく、むしろ壁の配置に応じて児童の着座位置が集中し過密になることなどが学習の際の集中を妨害することが明確となった。これについて英文学術誌に投稿した。またさらに教育的支援を必要とする児童について、学習時の集中度を高めるための教室レイアウトの工夫として、着座位置の調整とクールダウン・スペース(回復環境)の設置とが有益であることを示唆することができた。これは国際会議IAPSにて発表した。
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Research Products
(11 results)