2017 Fiscal Year Research-status Report
農地転用メカニズムとしてみた軍港都市の形成と地域社会の応答に関する研究
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16K14367
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
砂本 文彦 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (70299379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中江 研 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (40324933)
角 哲 名古屋市立大学, 芸術工学研究科, 准教授 (90455105)
崎山 俊雄 東北学院大学, 工学部, 准教授 (50381330)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 軍港都市 / 地域社会 / 農業 / 舞鶴 / 室蘭 / 佐世保 / 呉 / 横須賀 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究計画の確認と分担作業の進め方についての打ち合わせを、室蘭市・札幌市にて実施し、あわせて室蘭市では文献調査と現地調査を、札幌市では資料調査を進めた。また舞鶴市にてても同様の現地調査、資料調査を実施した。舞鶴市は4大軍港のひとつであり、室蘭市は軍港建設が計画されながらものちに計画は解消され、工業都市として発展している。室蘭軍港計画の立ち消えと舞鶴の軍港計画の開始は時期的な関連性があることから、昨年度、比較視点を持つためにも同年度に両都市の調査を実施した。調査においては、軍港計画とその地域社会、ならびに都市の発展過程における近隣農地の生産状況の把握をすすめ、各種公文書・私文書、地図、統計資料などを収集した。具体的には、港湾、水道、要害についての現地調査、明治期から昭和期にかけての文献調査(各資料館、図書館、文書館)、そして研究打ち合わせをおこなった。また、舞鶴軍港についての文献調査は京都市内関連箇所でも進めた。さらに軍需産業を支えた兵庫の企業都市の形成についても調査研究を行った。 調査の過程では、研究資料の収集方法や分析方法について研究メンバー相互に検討を重ねて、意思疎通を図りつつ、調査方法の正確さを期した。そして検討を重ねた調査方法を次年度に援用する予定である。 従来、学界では軍港/非軍港の適格性を巡る議論は、軍事戦略上の配置や地形(水深や地形を含む)あるいは水資源の確保などから行われることが多かったと指摘されているが、本研究では農業生産性や地域社会との関係から読み解く分析視点を提示できればと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究視点の打ち立てのを、現地調査を通じて研究分担者相互に確認できており、また、資料のありか、資料のおおよその量、今後検討すべき調査方法について、隔意なき意思疎通ができている。また、調査対象の分担も確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
軍港計画とその地域社会、ならびに都市の発展過程における近隣農地の生産状況の把握をすすめ、個別事例として、舞鶴・室蘭の継続調査、舞鶴・佐世保・横須賀の基礎調査(比較視点を得るためのもの)を行う予定である。また今年度は成果公開に向けた論文執筆を行う。本研究では農業生産性や地域社会との関係から読み解く分析視点を提示できればと考えている。
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Causes of Carryover |
おもに砂本、中江に次年度使用額が発生したわけであるが、これは佐世保、呉、横須賀の調査において想定外のデジタル資料の調査が進んでいるために、調査や複写の経費がかからなくなっていることが理由である。 しかし、デジタル化されていない資料についての所在も明らかであることから、次年度は佐世保方面と横須賀方面の資料調査と現地調査に予算を充てる。 角の次年度使用額は、当該年度の予算計画と執行予算との差額が端数として発生したケースである。
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