2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K14374
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小山 佳一 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (70302205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 好古 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (90649782)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 金属物性 / 磁性 / 複合材料 / 物性実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
Fe-Ga系ではGaの融点が低く、低い温度でも拡散しやすいと考えられる。本研究では、その過程に対する強磁場効果を解明するために、ゼロ磁場と10T中におけるFeと液体Gaの反応について、Fe中にGaが侵入し相生成する過程を観測した。本研究は、研究代表者が研究全般に責任を持って遂行するとともに、教育的効果を考慮し研究代表者の指導のもと、大学院生3名と学部学生1名で下記の実験、研究を行った。アーク溶解し成型したFeを500°Cで熱処理した後、表面を研磨した。Feの研磨面の上にGaを乗せ、石英管にアルンガス中で封入した。その後、試料を1023K-24hの条件下で、ゼロ磁場及び10T 中でそれぞれ熱処理した。熱処理した試料を磁場方向と平行に切断し、電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA) によって切断面の合成した相の評価を行った。 その結果、ゼロ磁場と強磁場10T中においてFe中にGaが侵入し、相形成する過程を観察することに成功した。点分析の結果から、析出相はFe2.8Ga1.2、Fe6Ga5、Fe3Ga4、FeGa3であり、これは状態図中における平衡相であることを確認した。また、ゼロ磁場中と10T中での反応を比較することで、10T中においてGaの侵入に対する磁場抑制効果を明らかにした。この1年で、ゼロ磁場中と10T中で得られたFe-Gaの相と組織、及びそれに対する磁場抑制効果について明らかになった。さらに、磁場中状態図作成のための準備、H29年度以降の研究動向調査を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験として行った、Fe-Gaの反応過程の実験で、Fe2.8Ga1.2、Fe6Ga5、Fe3Ga4、FeGa3の平衡相の創出がすべて観測された。さらに、これらの平衡相の創出の磁化効果の観測にも成功した。当初、この実験は難しいと予想し、鹿児島大学において、FexGa1-x (x = 10, 20, 25, 28, 30 35, 45, 50, 75, 90)の合成を組成を変えて行う予定であったが、GaのFeへの親友過程でFe表面から内部に拡散する過程で、すべての平衡相を見出す極めて興味深い結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)鹿児島大学において、FexGa1-x (x = 10, 20, 25, 28, 30 35, 45, 50, 75, 90)の合成を行う。Fe3Ga (x~25)は、高磁化を高温まで維持(キュリー温度TC = 730-1040 K)することが報告されており、この組成領域で特に詳細に実験する。ただし、Ga過剰側で、合成が難しい場合、(Fe+Ga)圧粉体試料(ペレット試料)も用いる予定である。これらの試料について、磁場中状態図の評価も進める。 (2)今年度後半から、Mn系の実験に取り掛かる。
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Research Products
(2 results)