2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of palm-sized ion gun and test of cell adhesion-activation for medical applications
Project/Area Number |
16K14385
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大幸 裕介 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70514404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 幸大 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (20553093)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イオン放出 / イオン伝導 / ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
従来のイオン注入装置は大型・高額であり、また高真空中でのイオン注入が前提とされ、これらがイオン注入法の応用範囲を限定していると考えられる。本研究では将来の医療応用を念頭に、イオン銃をレーザーポインタサイズまで小型化し、さらに大気圧下でイオン注入を行い、細胞接着性や活性評価を目的としている。昨年度までに先鋭化した各種イオン伝導性ガラスに電界印加することで、室温付近の大気圧下でH+, Ag+およびCu+イオン放出を確認した。本年度は研究タイトルであるレーザーポインタサイズの試作機を作製して、イオン放出を確認した。 ガラス板にAg+イオンを大気圧下で照射後に黄色ブドウ球菌(菌株名: S.aureus)に対する殺菌効果を調べた(未処理基板とAg+イオン照射基板それぞれ4枚ずつ用意して試験を実施)。24時間後の生菌数が未処理基板(生菌数平均460, 標準偏差112)と比べてAg+イオン照射した基板の生菌数平均は315(標準偏差57)に減少していた。同様に市販のハイドロキシアパタイト焼結体にAg+イオンを照射後のミュータンス菌(虫歯の関連菌)の生菌数を調べたところ、Ag+イオン照射による生菌数の減少傾向を確認した。またこれまでAg+イオン放出時間は数分程度と短い問題点があったが、ガラス先端を加温することで15分程度まで改善した。現在のところ絶縁性基板に対するイオン照射量のその場計測が行えていないため、今後は正確なイオン照射量と殺菌効果に関する定量評価を実施する。また大気圧でのイオン照射であり、空気中分子との反応性などの評価などを今後進める予定である。
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