2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of defect generation processes in nano-scale devices and the deign methodology based on stochastic theory
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16K14405
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江利口 浩二 京都大学, 工学研究科, 教授 (70419448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巽 和也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90372854)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | プラズマ処理 / 表面処理 / ナノ構造 / 確率過程 / 欠陥 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、超高信頼性への要求が増大しているマイクロ・ナノテクノロジーへ、経済学などで広く応用されている確率解析を実装することを目的としている。最終年度は、前年度までに明らかにしたプラズマ曝露された単結晶シリコン基板中での欠陥形成を詳細に解析した。観測された過渡過程(確率過程)から定常過程(統計的過程)への遷移機構に対し、各ガス種依存性とその波及効果について検討した。HeとArに対して詳細に解析した結果、過渡過程から定常過程に遷移する特性ドーズ量がガス種に依存することを見出した。これらの結果をもとに、実験より観測された初期の過渡過程に対するドーズ量依存性の統計的モデルの定式化に成功した。さらに過渡過程を確率過程として定義し、確率解析により予備的に検討した。また、シリコン窒化膜について同様に、欠陥形成の時間発展を解析した。一方で、古典的分子動力学法および第一原理計算により、局所欠陥構造のゆらぎが、種々の実験で同定される物性値のゆらぎに与える効果を検討した。プロセス条件に依存し材料中の局所電子状態密度が変化することを明らかにした。今後、種々の実験と並行して、欠陥の離散的局所構造や動的振る舞いに対する確率過程の実装を進める予定である。さらに研究分担者は、開発した誘電泳動力を用いた細胞・粒子の高速分取を行うマイクロ流体デバイスに対して、確率論を応用した分析と予測を導入した粒子運動解析を用いて電極設計を進めた。新デバイスにおいて流路出口での細胞と粒子の位置、速度、タイミングに関する統計分布を求めた結果、従来の設計に対して50~100%の性能向上を達成できることを示した。
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