2017 Fiscal Year Annual Research Report
Rapid solution growth of SiC using 100% Cr solvent
Project/Area Number |
16K14445
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川西 咲子 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80726985)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シリコンカーバイド / 溶液成長 / クロム溶媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
Cr-Si溶媒を用いた4H-SiCの低温高速溶液成長の実現に向け、平成29年度は以下の成果を得た。 ①SiC飽和Cr-Si合金の炭素溶解度の評価 SiCの成長挙動に及ぼす炭素過飽和度の影響の評価に先立ち、Cr-37.5mol%Si中の炭素溶解度の温度依存性を実測した。純CrおよびCr-40mol%Si合金における溶解度の報告値との比較・検討により、同じ温度差を付与した場合の炭素過飽和量は純CrおよびCr-37.5mol%Si合金にて高いことがわかり、高速成長に好適であることが示唆された。一方、炭素過飽和度は純Cr溶媒にてCr-37.5mol%Si溶媒の1/3程度、Cr-60mol%Si溶媒の1/10程度であることがわかり、純Cr溶媒が安定界面を得る上で好適な溶媒である可能性が示された。 ②4H-SiCの低温高速溶液成長の試み ①の溶解度評価により炭素過飽和量および炭素過飽和度が既知の三組成のCr-Si合金を用いて1660~1680℃にて4H-SiCの溶液成長を実施した。高過飽和量の二種のCr-Si溶媒を用いた場合には、最大1.4mm/hの高速成長が得られた。一方、溶媒中のシリコン濃度が高いほど、また、成長時の温度差が大きいほど、成長層に3C-SiCの雑晶が混入しやすいことがわかった。この3C-SiCの混入の程度は、各溶媒および温度差で予測した二次元核生成頻度と同様の傾向を示した。以上より、高クロム濃度の溶媒は高過飽和量および低過飽和度が同時に得られるため、高速成長を維持しつつ二次元核生成頻度を低減する、すなわち、4H-SiCの単一ポリタイプ成長を実現可能であることがわかった。
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Research Products
(9 results)