2017 Fiscal Year Annual Research Report
Ultra fine bubble formation by electrochemical method and its application to aqueous metallurgy
Project/Area Number |
16K14450
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇田 哲也 京都大学, 工学研究科, 教授 (80312651)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 溶存酸素 / 固気反応 / ウルトラファインバブル / UFB |
Outline of Annual Research Achievements |
製錬反応において、固体と気体の水溶液中での反応が非常に遅く全体の反応を律速することが頻繁に見受けられる。本研究では、近年脚光を浴びているUFBを用いた固気反応の促進の可能性を調査している。また、研究では電気化学反応により電極を縦揺動させることによりUFBの生成も試みた。これらの目的のために、前年度の予備実験を基に、電解と電解中のジクソーによる電極振動さらには、金属銅のUFB存在下での溶解反応挙動の調査を行った。結果、以下の結論を得た。 UFB酸素の水溶液中での反応の影響については、UFBとして存在する酸素よりも、溶存酸素量の方が圧倒的に多く、さらには、反応速度の観点でも、小さいとはいえ、バブルで存在する酸素と比べ、分子状で存在する酸素の方が大きな反応速度を持つと推定される。従って、UFBによる効果は、溶存酸素による効果に打ち消されるため、両者を切り分けた実験が必要であると言える。UFB個数の分析については、用いた装置の機種に違いはあるものの、ほぼ同様な測定原理を用いた分析を異なる機関で行ったところ、分析機関によってUFB個数に大きな隔たりがあることがわかった。今後、分析手法の進化が望まれる。電解のみにおいては、UFB個数はほとんど変化しないが、電解に加え、ジクソーによる縦揺動を与えるとUFB個数は増加する傾向が見られた。その傾向は、分極が酸素側のときで顕著であり、5.1億個/ml程度となった。ただし、分析手法の確立とともに再検証の必要がある。 今回、電極の機械的運動がUFB個数に影響を与える可能性を示せたことはこの研究の収穫である。今後、UFB個数の信頼性の高い測定法の確立とともに、今回の実験の再検証が期待される。
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