2016 Fiscal Year Research-status Report
ソフト界面への金属集積を指向する界面設計技術の構築
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16K14459
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小野 努 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30304752)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高分子界面活性剤 / ブロック共重合体 / 金属錯体 / 界面イメージング / ルテニウム / ポリ乳酸 / ポリエチレングリコール / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績として,親水部ユニットと疎水部ユニットを併せ持つ金属結合型ブロック共重合体を合成し,液液界面への配向と液滴ベースの微粒子化により固体表面への提示が可能なことを実験的に明らかにした。その際,疎水部ユニットであるポリ乳酸部分の重合度が全体の共重合体の界面吸着特性に大きく影響することがわかり,親水部ユニットとして用いたポリエチレングリコール鎖と比較して長鎖の疎水部ユニットが望ましいことが実験的に実証された。 金属錯体としてはルテニウムとそれぞれのユニット高分子鎖を有するターピリジン基をリガンドとした化合物で合成が確認されたが,異なるユニットを持つ金属錯体を分離精製によって得ることは容易でないため,モノ錯体の合成から逐次的に合成することで,非対称な金属錯体を高い純度で合成できることがわかった。ただし,その他の金属種への変更のためには,中間体であるモノ錯体の安定性を確保することが重要であることも分かり,様々な官能基を有する非対称金属錯体を作成するうえで合成スキームの重要性が明確となった。 また,固体表面に提示された金属触媒は少なくとも触媒活性を有していることも明らかになっており,触媒としての機能を高めるためには,液液界面における金属イオンーイオン液体の分散性が重要であると再認識してもらうことができ,研究面・教育面それぞれにおいて,金属イオンを含む構造体形成に向けて検証を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際に界面へ配向する金属結合型ブロック共重合体の合成が実現されており,固体表面への提示が可能であったことからも,液液界面への金属錯体の選択的な固定化が可能であることが強く示唆されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに界面配向に適したブロック共重合体の分子設計に関する実験成果を得ており,それらを生かして様々な高分子リガンド,金属種を持った化合物の液液界面配向を安定化し,微粒子や繊維やフィルム上への選択的な固定化を目指すことで,実用化へのポテンシャルを大きく高めたい。
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Research Products
(3 results)