2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Hydrotreating Catalysts for Selective Conversion of Inedible Vegetable Oil to Hydrocarbon with Linear Carbon Chain
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16K14475
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
銭 衛華 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00302919)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バイオマス利用 / 水素化処理 / 植物油 / モリブデン触媒 / 偶数直鎖炭化水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
非可食植物油であるパーム油脂肪酸留出物(PFAD)を原料として、潜熱蓄熱剤(PCM)の主成分である偶数炭化水素(n-C16、n-C18)を製造するため、本研究では、触媒の活性金属と担体との相互作用を解明し、植物油の水素化処理における脱炭酸反応、異性化反応及びクラッキング反応等の副反応を抑制するとともに偶数直鎖炭化水素を高選択的に生成する高性能な触媒の開発を行なった。 (1) 植物油の水素化処理反応経路の解明:アルミナ等に担持したMo系触媒を用いて、ラウリン酸メチルをモデル化合物として、流通式反応装置を用いた水素化処理反応を行い、各生成物を同定・定量し、水素化反応経路の解析を行なった。Moに対する助触媒の種類や添加量はそれぞれの反応経路に大きく影響を与えることが明らかにした。 (2)活性金属種の探索および担体表面酸特性・細孔構造の影響の解明:様々な担体に担持したMo触媒に助触媒を添加・調製し、PFADの水素化反応に担体の表面酸特性や細孔構造の影響を調べた。そして、これらの触媒のXPS、TPD等の解析結果に基づいて、担体の種類や表面酸特性は触媒上の活性種の形成や構造に大きな影響を与えることを明らかにした。またこれらの結果より新規Mo系触媒を開発した。 (3)植物油に由来多様な原料油への対応性の検証:流通式ラボスケール装置を作成し、新規Mo系触媒を用いたPFADやジャトロファオイルの水素化処理を行なった。モデル化合物の場合と比べると、実油の水素化反応性は低かったが、反応条件を最適化することで、モデル化合物と類似な結果が得られ、実油の水素化転化率が95%以上、偶数直鎖炭化水素(n-C16+n-C18)の選択性が90%以上の開発目標を達成した。さらに、約100時間の運転期間において、明らかな触媒の失活は見られなかった。
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