2016 Fiscal Year Research-status Report
ホスホニウム化合物を構造規定剤/リン修飾剤に用いた高耐久性小細孔ゼオライトの開発
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16K14481
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐野 庸治 広島大学, 工学研究院, 教授 (80251974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津野地 直 広島大学, 工学研究院, 助教 (40758166)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ゼオライト / 水熱転換 / リン修飾 / NH3-SCR |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、既存のゼオライトを出発原料に用いて目的のゼオライトを合成するゼオライト水熱転換法を開発した。本研究では、アンモニウムカチオンとホスホニウムカチオンの2つを同時に構造規定剤として用いるゼオライト水熱転換により、合成の段階でリン修飾に必要なリン源をゼオライト結晶の細孔内に導入する新規なリン修飾法の開発とそれを利用した高耐熱性/耐水熱性8員環小細孔ゼオライト合成法の検討している。ゼオライト水熱転換法を利用した高耐久性8員環小細孔ゼオライトの合成法を確立するためには、アンモニウムカチオンとホスホニウムカチオンの割合を変えながら、2つを同時に構造規定剤に用いたゼオライト水熱転換条件を明らかにする必要がある。そこで本年度では、合成温度・時間、アルカリ濃度、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、種結晶、鉱化剤等を様々に変えてFAU型ゼオライトからの8員環ゼオライト、中でもNH3-SCR触媒に有効と報告されているAFX型ゼオライトに着目しその合成条件を検討した。有機構造規定剤には1,4-ビス(1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン)ブチルジヒドロキシド ([Dab-4](OH)2)およびテトラエチルホスホニウムヒドロキシド(TEPOH)を用いた。AEIゼオライト結晶の合成には出発ゲルのNaOH/SiO2比が0.6以上と高アルカリ性条件を必要することがわかった。得られたAFXゼオライト結晶(ca. 5μm)は特徴的な六方両錐形の形態をしていた。ICP測定より求めたP/Al比は 0.01~0.08と極めて小さな値であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
P/Al比は小さいもののリン修飾されたので、耐熱性の評価を行った。リン未修飾AFXゼオライトの相対結晶化度は熱処理温度の上昇とともに減少し、950℃で結晶構造は完全に崩壊した。一方,リン修飾AFXゼオライトは900℃においても70 %以上の結晶化度を維持し、リン未修飾AFXゼオライトと比較して耐熱性に優れていることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
FAU-AEIゼオライト水熱転換条件をさらに調査するとともに、リン修飾AEI型ゼオライトの大量合成についても検討する。得られた高耐久性AEI型ゼオライトを用いて高性能な窒素酸化物のアンモニア選択還元触媒、低級オレフィン合成触媒及びゼオライト分離膜の開発を行う。
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Causes of Carryover |
当初リン含有量の多いAFX型ゼオライトについては大量合成を計画していたが、NH3-SCR反応に適したリン含有量の多いAFX型が合成できていない。そのため大量合成に必要な有機構造規定剤の購入を行わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
FAU-AFXゼオライト水熱転換条件をさらに検討し、リン含有量の多いAFX型ゼオライト合成条件を確定した後で大量合成を行う。
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Research Products
(2 results)