2016 Fiscal Year Research-status Report
ナノ材を抗原とする抗体の発見から展開する分子標的有機ナノ結晶粒子のワンポット合成
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16K14483
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梅津 光央 東北大学, 工学研究科, 教授 (70333846)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生体分子 / 生体機能利用 / ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 人工選択系による蛍光性有機ナノ結晶材料を対象とした結合性ペプチドの取得: 有機ナノ結晶に特異的なペプチドを、進化工学的手法を用いて取得を試みた。これまで培ってきた無機材料表面に選択的結合するペプチドをファージ提示法により同定する手法を用いて、蛍光性有機結晶において、ある一定の結晶面が特化して露出している蛍光性有機ナノ結晶を抗原として用い、材質だけでなく結晶界面を識別し結合するペプチドの選択操作を行った。その結果、いくつかの結合陽性ペプチドを得ることができた。その際に溶出条件として、pHと塩濃度を変化させて選択操作を行ったところ、アミノ酸配列の異なるペプチドが選択された。そして、それらペプチドの結合特性を評価したところ、溶出条件を反映する特性をもっていることが示唆された。
2. ペプチドでは達成し得ない高親和性な抗体の取得: 過去に取得していた材料結合性ペプチド分子からペプチドの数十~数百倍の結合力を持つラクダ抗体の結合機能ドメインの作製を試みた。そのために、まず、結合機能ドメインにあるCDR ループの一つを材料結合性ペプチド分子に交換した結合機能ドメインを作製した。その結果、移植に用いたペプチドによって、その機能が保持される結合ドメインと保持されていないドメインが存在することが分かった。これより、材料結合性ペプチドは、ある確率で結合ドメインへ移植することで機能が発現しないものがあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的材料に結合するペプチドを選択操作で同定することに成功しており、また、ペプチドを抗体へ移植するプロセスにおいても、その課題が明らかになると共に成功する事例も見られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通りに、得られたペプチドを用いてより高親和な抗体の結合機能ドメインを作製し、イメージングおよびがん治療への応用実験を行う。
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Causes of Carryover |
ペプチドを移植した抗体で機能が発現しなかったものがあり、その検討をする必要がでたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ペプチド移植による確実な抗体の機能発現の開発を行い、二重特異性抗体の設計による分子標的有機ナノ結晶粒子合成と分子標的機能ナノ結晶の高感度がん診断・治療としての機能評価を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Generation of camelid VHH bispecific constructs via in-cell intein-mediated protein trans-splicing2016
Author(s)
Yuki Shibuya, Natsuki Haga, Ryutaro Asano, Hikaru Nakazawa, Takamitsu Hattori, Daisuke Takeda, Aruto Sugiyama, Reiko Kurotani, Izumi Kumagai, Mitsuo Umetsu, and Koki Makabe
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Journal Title
Protein Engineering, Design & Selection
Volume: 30
Pages: 15-21
DOI
Peer Reviewed
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