2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel bioprocess for valuable material production with oilbody-display technology
Project/Area Number |
16K14487
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 剛 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20345333)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オイルボディ / 珪藻 / ディスプレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、オイル生産微細藻類が有するオルガネラ、オイルボディを有機反応場として捉え、疎水性の高い化合物の全く新たな生合成プロセスの開発を目指すものである。平成29年では、オイル組成を制御する酵素の一つであるデサチュラーゼを組み換え発現することにより、疎水性の高い化合物である高度不飽和脂肪酸を生合成するプロセスの構築を行った。オイル生産微細藻類の内在性ω3デサチュラーゼを過剰発現する形質転換株を作出したところ、サプリメントなどに用いられるエイコサペンタエン酸の生産量が増加した。質量分析計による解析の結果、合成されたエイコサペンタエン酸はオイルボディ内に蓄積されるトリアシルグリセロールに取り込まれていることが示唆された。作出した形質転換株の生育は野生株と同等であることから、疎水性の高い化合物を、オイルボディに区画化することで細胞毒性を低減し、効率的に生産することができたと考えられた。また、オイルボディと相互作用するタンパク質の検討にも注力し研究を行った。オイル生産微細藻類から精製したオイルボディ画分からタンパク質を同定したところ、オイルボディ局在タンパク質候補を新たに複数獲得した。これまでに獲得したオイルボディ局在タンパク質候補と共に検討を進め、一部のタンパク質においては、緑色蛍光タンパク質の融合実験により、オイルボディへの局在を確認していることから、オイルボディディスプレイ技術の確立が示された。今後、オイルボディディスプレイ技術を活用することにより、様々な有用物質を効率的に生産できると期待される。
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