2017 Fiscal Year Annual Research Report
Anticancer activity created by low-molecular-weight gelators and enzyme related to cancer cells
Project/Area Number |
16K14491
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丸山 達生 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (30346811)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ペプチド脂質 / 自己組織化 / 酵素 / 細胞内環境 / 細胞死 / 選択的毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
低分子化合物の集合体から成る超分子ゲルは、ゲル化剤が低分子であるため精密な分子設計が可能であり、様々な刺激応答性のゲル化剤を作製しやすいといった利点がある。特に、我々はペプチド脂質を適切に分子設計することで、酵素に応答して自己組織化やゲル化能を示すペプチド脂質の開発に成功してきた。そこで本研究では、一部のガン細胞が過剰生産するチロシンキナーゼに応答して、抗ガン活性を発現するペプチド脂質の開発を行った。チロシンキナーゼは、細胞のガン化に深く関わっていることがわかってきており、チロシンキナーゼをターゲットとした創薬研究(特に阻害剤)も盛んに研究されている。チロシンを含む10種以上のペプチド脂質をペプチド固相合成法により合成した。精製は高速液体クロマトグラフィを用い、同定はMALDI-TOF/MSにより行った。ペプチドとしてはチロシンを含むジペプチド、トリペプチドを用いた。脂質部分は、炭素数10,12,14の直鎖飽和脂肪酸を用いた。各種培養細胞を用いて細胞毒性を検討した結果、ある種のペプチド脂質でガン細胞種により細胞毒性が変わることが明らかになった。顕微鏡観察からも、細胞の溶解が確認された。既報より、ガン細胞によりチロシンキナーゼの生産量およびチロシンキナーゼの基質特異性が異なることが明らかになっている。これらのことから、本研究で開発したペプチド脂質がガン細胞内チロシンキナーゼによりリン酸化され、細胞膜を内側から破壊し、細胞毒性を示しているものと考えられる。
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Research Products
(6 results)