2016 Fiscal Year Research-status Report
災害救援のための中高度・長時間滞空型ソーラープレーンに関する研究開発
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16K14508
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Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
雷 忠 諏訪東京理科大学, 工学部, 教授 (50392832)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ソーラープレーン / 太陽光エネルギー / 無人航空機 / 長時間滞空 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は太陽光エネルギーを動力源とするソーラープレーンの研究を先行的に行い、機体設計、飛行制御、材料、太陽光発電、通信などの多分野技術を統合する無人機システムを開発し、実用化になる基礎技術を提供することを目的とする。 ①ソーラープレーン最適化設計:過去の経験に基づいて、気象条件の太陽光照度を考慮した上で5号機の機体形状と搭載システムを設計した。搭載する太陽電池を変更したため、現在、機体設計を変更・改良し、6号機の設計を行っている。また、各部の構造重量と搭載システムについて数学モデルを構築し、設計に利用した。 ②軽量化機体製作:高いエネルギー変化率と軽量化のソーラーセルを調査し、3種類の材料を調査、性能を比較した結果、実エネルギー変換率28%となる太陽電池パネルを設計した。また、複数の構造材料と製作法を検討し、部品試作及び強度テストを行った。5号機の全備重量は同じ平面投影面積の4号機に比べ、0.5kg減の3.3kgとなった。 ③パワー制御システム:太陽電池の発電性能について地上テストを行い、電力出力性能と動力システムの動作を確認できた。また電力管理システムの開発に着手し、試作を行ったが、まだ充分な機能を満たしておらず、現在設計を改良しいる。 ④飛行テスト:2016年10月に製作した5号機の飛行テストを実施し、水平飛行、旋回、上昇、降下などを確認できた。機体の飛行性能と発電・出力のデータを採集し、データ解析を行った。各性能が良好であることを確認できた。 ⑤成果発表:国内会議口頭発表2回、国際会議発表1回
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全体的に順調に進展している。機体設計と製作を行い、軽量化に成功している。基本性能について地上テストと飛行テストを行った。 しかし、やや遅れている状況でもある。当初の申請予算より、交付された経費が大幅に削減され、太陽電池の購入に資金が不足したため、やむ得ず、機体設計を変更することになり、再設計に時間がかかっている。また、外部協力者は約半年間に入院したため、代わりにものがすぐに見つからず、6号機の製作と飛行が遅れている。6月から再開する予定です。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、6号機の改良設計を進めて、製作を着手し、できるだけ早期に機体を完成して、秋に飛行テストを再開する予定です。経費不足の状況において、多少の計画変更を実施せざるを得ない。太陽電池の選定に妥協案を採用し、またパワー制御システムの新規開発を中止して、可能の範囲内で最適な性能を達成するように努力する。 6号機の設計・製作において、さらに空力性能の向上と機体の軽量化を極めて、飛行時に必要パワーを最大限に抑えるよう改良を試みる。低高度の飛行テストデータを利用して高度7kmの飛行性能を推測し、実用性を確かめる。
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Causes of Carryover |
交付された予算額は当初の申請経費より大幅に削減されたため、最初に設計に採用された太陽電池を変更せざるを得ないことになった。対策として妥協案を検討して、2種類の太陽電池を併用することに変更し、機体設計を見直すことになった。予定した計画を調整し、H29年度の予算を足して新規太陽電池の購入を遅れるようになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越額を新規太陽電池の購入に使用する予定です。
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