2016 Fiscal Year Research-status Report
インナープロペラモーターコルトノズルの基礎開発研究
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16K14510
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
賞雅 寛而 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (20134851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波津久 達也 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (60334554)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 船舶工学 / 海洋工学 / 推進・運動性能 / プロペラ効率 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である平成28年度は、1) シングル及び二重反転インナープロペラモーターコルトノズルの流動シミュレーション、及び2) シングルインナープロペラモーターの概念設計・試作を行った。プロペラ回りの流動シミュレーションは、予備研究でも使用されていた流動シミュレーションプログラムソフト(有限体積法熱流体解析ソフトライセンスANSYS Academic Research CFD)を用い、駆動体周辺のより詳細な流動解析を行った。流動シミュレーションのパラメーターは、シングル及び二重反転共に、ボスボイド(プロペ ラ中心部の空隙)、翼枚数、回転数及びノズル長さ・角度であり、3次元流動計算によるスラスト力等より、2)シングルインナープロペラモーターの概念設計(翼枚数、スラスト軸受け構造、回転子・固定子構造等)を行い、またその結果をもとに二重反転モーターの模型を作成した。 また平成29年度に実施予定の回流水槽を用いた流動性能計測実験の予備実験を行った。この予備実験の基本的な設定パラメーターは回転数、回流速度(プロペラ周囲速度)などであり、計測項目はプロペラ回り流速分布(超音波流速計)、スラスト力、消費電力などであり、いずれもの動作も問題ないことを確認した。 シングルモーターインナープロペラについては、本研究開始後に出された他の特許と抵触することが判明したため、年度後半の研究を新しく考案した「流速の変化に対応した最適プロペラ効率を得るため、プロペラ翼角を2つの同期モーターの回転制御によって制御する方式」に限定し、これについての動作シミュレーションを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の年度計画についてはほぼその通りに研究を遂行した。それに加え、平成29年度に実施予定の回流水槽を用いた流動性能計測実験の予備実験を行い、実験系及び計測系いずれの動作も問題ないことを確認した。またシングルモーターインナープロペラについては、本研究開始後に出された他の特許と抵触する部分があることが判明したことから、この研究については年度後半の研究を変更し、新しく考案した「流速の変化に対応した最適プロペラ効率を得るため、プロペラ翼角を2つの同期モーターの回転制御によって制御する方式」についての動作シミュレーションを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の検討結果を踏まえ、引き続き前年同様、1) シングル及び二重反転インナープロペラモーターの流動シミュレーション、及び2) シングルインナープロペラモーターの試作(既存の100V1kW級高トルクモーターにインナープロペラ・スラスト軸受けを付与して改造(スラストが翼外端になるが、新しく設計製造すると高価なため、インナープロペラは既存のボス付きのプロペラを加工する))を行うとともに、回流水槽及を用いて3) 流動性能計測実験を行う。基本的な設定パラメーターは予備実験同様に回転数、回流速度(プロペラ周囲速度)などであり、計測項目はプロペラ回り流速分布、スラスト力、消費電力などである。なお、流速分布については当初、蛍光トレーサー用ダブルショットレーザー及び高速度ステレオビデオカメラ及びPIV流速分布解析ソフトを使用する予定であったが、超音波流速分布計の使用が可能であること、またその正確度・簡易性が優れていることが予備実験で明らかになったため、計測系を変更する予定である。 またシングルモーターインナープロペラについては、本研究開始後に出された他の特許と抵触する部分があることが判明したことから、この研究については平成29年度も、新しく考案した「流速の変化に対応した最適プロペラ効率を得るため、プロペラ翼角を2つの同期モーターの回転制御によって制御する方式」に変更し、モーターシステム系を構築する。 なおポッド式推進器におけるインナープロペラ方式は、船舶推進系の先端的研究分野であるため、世界の各研究の遂行状況、特許出願状況を常に確認し、オリジナルな研究が遂行できるように今後とも適宜計画を微修正する予定である。
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Causes of Carryover |
シングルモーターインナープロペラについては、本研究開始後に出された他の特許と抵触する部分があることが判明したことから、この研究については、新しく考案した「流速の変化に対応した最適プロペラ効率を得るため、プロペラ翼角を2つの同期モーターの回転制御によって制御する方式」の動作シミュレーションを行った。したがって制作費の一部を次年度に繰り越している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
「流速の変化に対応した最適プロペラ効率を得るため、プロペラ翼角を2つの同期モーターの回転制御によって制御する方式」のモーターシステム系の製作費として用いる。
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Research Products
(2 results)