2018 Fiscal Year Annual Research Report
Nuclear polarized H-D layer target for the laser illumination experiment
Project/Area Number |
16K14528
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中井 光男 大阪大学, レーザー科学研究所, 教授 (70201663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井頭 麻子 明治学院大学, 法学部, 准教授 (20379275)
宇津呂 雄彦 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (50027421)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 慣性核融合 / 核偏極燃料ターゲット / 磁性錯体 / コンパクトNMR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、将来の核融合燃料(DT)の核偏極手法の確立を最終目的として、強磁性錯体の内部磁場を利用した、従来困難であった、10 K程度の高温での純粋HD(水素・重水素)の核偏極手法の基礎研究を行った。将来的には、偏極された核融合燃料を大阪大学レーザー科学研究所の超高強度レーザーLFEXによって直接照射し、核融合反応生成中性子等の角度分布から偏極効果を検証することを目指している。 研究開発のポイントは、磁性錯体を内包したガス吸着せるの設計と、偏極率を測定するためのコンパクトなNMR観測系の構築である。初年度のNMR測定系立ち上げ実験に於いて、二つの問題点が明らかになった。第一はNMR測定部(プローブ)の冷却が不十分であること、第二は NMR測定のためには、冷凍機の振動による影響を避けるために短時間ではあるが、一時的に冷凍機を停止する必要があり、温度変化に伴う擾乱により、HD凝縮を模擬したプローブの安定した測定が困難となるということであった。 平成29年度は、これらの問題を解決するために、測定部の熱遮蔽を改良、当初の冷却プローブの設計変更並びに測定手順の見直しを行った。また、測定時間を短縮し、 S/Nの向上を測るために、NMR測定システムにデータ収集速度の速いコントローラーを新たに購入し、システムに組み込んだ。 平成30年度は、利用施設の都合により、実験室を移動する必要があり、移設、移設後の復旧作業により、計画に大きな遅れをきたした。較正用の模擬ターゲットを組み込んだ、より簡便な形状の吸着実験セルを作成し、常温でのNMR測定により、期待通りの結果を得た。また、当初予定通り、無背壁個体HD薄膜ターゲット用セルの改良を行った。今後、平成31年度中には、当初予定通りの冷却実験を実施する。現在、冷却実験と並行して、レーザー照射実験的用の偏極ならびに移送システもの概念設計を行なっている。
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Research Products
(1 results)