2016 Fiscal Year Research-status Report
アクチノイド化学基盤の再構築をめざすフタロシアニン錯体の単分子解析と核医薬応用
Project/Area Number |
16K14533
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山村 朝雄 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20281983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 貴光 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (40344741)
大槻 勤 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50233193)
笠松 良崇 大阪大学, 理学研究科, 助教 (70435593)
白崎 謙次 東北大学, 金属材料研究所, 技術専門職員 (70447176)
鷲山 幸信 金沢大学, 保健学系, 助教 (80313675)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アクチノイド / フタロシアニン |
Outline of Annual Research Achievements |
1 アクチノイド・フタロシアニンの微量合成とキャラクタリゼーション (1) アクチノイド・フタロシアニンの合成 一般に合成は実験室に在室して準備、合成、確認、片付けの一連の作業の中で進展していくもので、学生に加えて、派遣技術者のマンパワーも含めて、阪大院理の支援を得ながら東北大金研での体制構築を行う。(2) 比放射性の高い抽出法の開発 現在では、合成はマクロ量(gスケール)が必要である。現在、阪大で開発されている方法は、配位子を大過剰として抽出する。 2 AFMによる単分子錯体のキャラクタリゼーション法の開発 ランタノイドを用いたフタロシアニン錯体のAFM測定による単分子キャラクタリゼーションが既知であり、本研究においても、アクチノイドへの展開に向け、先ずランタノイドを用いたフタロシアニン錯体のAFM測定法を確立する。 3 アルファ放射体核医薬のキャリアとしてのフタロシアニン (1) 反跳効果の検討 従来研究ではα放射性核種を大環状配位子(EDTMP、DOTMP)による錯体形成で抗原にリンクするが上記錯体はpKaにより外れやすい問題があるとともに、非放射性の高い溶液中でのように他の放射性核の反跳による攻撃でも壊れやすい。この問題へのアプローチの一つとして、カーボンナノチューブ、フラーレン等があり、共鳴性による修復性が利用され、同様のフタロシアニンの反跳効果耐性が期待される。(2) マウスアッセイ系での評価 α放射体核医薬の一つであるRa-223のヒトへの治験で、治療による延命効果が顕著に報告されている。臨床試験に向けたα放射体として、Ra-223、Ra-224、Ac-225、Th-226、Th-227(Ac-227)、U-230が検討されている。最も取り扱いの容易なウランとトリウムのPc錯体を合成してキャラクタリゼーションを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1 アクチノイド・フタロシアニンの微量合成とキャラクタリゼーション (1) アクチノイド・フタロシアニンの合成 一般に合成は実験室に在室して準備、合成、確認、片付けの一連の作業の中で進展していくもので、学生に加えて、派遣技術者のマンパワーも含めて、阪大院理の支援を得ながら東北大金研での体制構築を行う。(2) 比放射性の高い抽出法の開発 従来の、阪大で開発されている方法は、配位子を大過剰として抽出し、溶媒に溶解し、カラムクロマトグラフィーで分離精製した。本年度開発した方法は昇華精製であり、450℃、0.1Torrでフタロシアニンの分離が綺麗に行えることを示した。 2 アルファ放射体核医薬のキャリアとしてのフタロシアニン (1) 反跳効果の検討 阪大において反跳実験用のエネルギー分光器を作成した。現在、β-ジケトンによる実験を行うための錯体を調製済みである。今後、試料板であるCu円板上に蒸着を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
1 アクチノイド・フタロシアニンの微量合成とキャラクタリゼーション (1) アクチノイド・フタロシアニンの合成 一般に合成は実験室に在室して準備、合成、確認、片付けの一連の作業の中で進展していくもので、学生に加えて、派遣技術者のマンパワーも含めて、阪大院理の支援を得ながら東北大金研での体制構築を行う。(2) 比放射性の高い抽出法の開発 従来の、阪大で開発されている方法は、配位子を大過剰として抽出し、溶媒に溶解し、カラムクロマトグラフィーで分離精製した。本年度開発した方法は昇華精製であり、450℃、0.1Torrでフタロシアニンの分離が綺麗に行えることを示した。 2 アルファ放射体核医薬のキャリアとしてのフタロシアニン (1) 反跳効果の検討 阪大において反跳実験用のエネルギー分光器を作成した。現在、β-ジケトンによる実験を行うための錯体を調製済みである。今後、試料板であるCu円板上に蒸着を行っていく。
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Causes of Carryover |
原子炉が新規制基準対応で止まっていたため、使用予定を延ばしていた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
原子炉が2017年7月頃から運転予定のため、予定通り使用する。
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Research Products
(3 results)