2016 Fiscal Year Research-status Report
磁気モーメントの変化を用いた新規環境発電技術実現に向けた基礎研究
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16K14544
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
甘蔗 寂樹 東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (10544083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石束 真典 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (10386716)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エネルギーの高効率化 / エネルギー変換 / 環境発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
物理化学現象である強磁性体から常磁性体への転移に関する基礎データと材料の特性データの収集を行った。そのデータを元に、温度-エントロピー線図を描き理論効率の算出を行った。 1)磁性体(ガドリニウム)の基礎特性の把握 本研究では、キュリー温度以下での強磁性体であるガドリニウムの磁化率の温度による変化を定量的に分析した。ガドリニウム表面から一定距離離れた点の磁束密度を、ガドリニウムの温度を調節して、ガウスメータにて測定した。同様の実験を磁気回路による磁場内において行い、磁場による磁化率への影響を測定した。また、ヒステリシスの大きさを定量的に測定するためにガドリニウムを加温した場合と冷却した場合の熱量の差を測定した。これらの結果と、伝熱の観点からガドリニウムは粒状として冷却水と直接接触させることとした。 2)温度-エントロピー線図より得られる理論効率の算出とモデル化 実験により得た基礎特性より、一サイクルのサイクル線図を温度-エントロピー線図上に描き、 そのときに得られる理論効率を算出した。また、得られたサイクル線図をカルノーサイクルの線図と比較し、効率を下げる要因を考察した。また、試設計する予定の発電システムの電気回路モデルを構築し、Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis(SPICE)を使って、理論容量のシミュレーションと発電システムの動特性の把握を行った。得られた動特性から、基本となる運転システムの設計を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進捗している。しかしながら、実施した実験のデータ数を補充する必要があることからおおむね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
微小なエネルギー変化をとらえる必要があり、測定が非常に困難となる。繰り返し実験を行い、実験結果の確度を挙げるように努める。
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Causes of Carryover |
実験補助の謝金として利用することを予定していたが、該当者が見つからなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験量を増やすことを考えており、その経費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)