2016 Fiscal Year Research-status Report
Development of plasmon induced charge separation systems at the interface between a metal nanoparticle and a p-type semiconductor
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16K14547
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 幸奈 九州大学, 工学研究院, 助教 (10596076)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エネルギー変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、金や銀などの局在表面プラズモン共鳴を示す金属ナノ粒子に、酸化チタンのようなn型半導体を組み合わせた複合系に、プラズモン共鳴波長の光を照射することで得られるプラズモン誘起電荷分離という現象について、組み合わせる半導体としてp型半導体が利用できる可能性を検討している。p型半導体を用いた新型プラズモン誘起電荷分離システムが実現すれば、n型半導体を用いていた従来系に比べて、電荷分離状態の長寿命化に基づく光電変換効率の向上や、金属ナノ粒子に対する酸化溶解の抑制に基づき、金属ナノ粒子の金属種の選択肢が増加することなどが期待される。 平成28年度は、まずはp型半導体として酸化ニッケルを、金属ナノ粒子として銀ナノ粒子を用いて、光活性電極を作製した。作製した電極を用いて、電解液中で白色光を照射することによって光電位測定および光電流測定を行った。その結果、作製した光活性電極の光電位および光電流の応答方向が、銀ナノ粒子の有無によって変化することが明らかとなった。これは、p型半導体と金属ナノ粒子の界面でプラズモン誘起電荷分離が進行している場合に得られると期待される応答と一致した挙動である。以上の結果より、本課題で提案する新型システムによるプラズモン誘起電荷分離が進行している可能性が示唆された。この光応答が、実際に新型プラズモン誘起電荷分離に起因した挙動であるかどうかを、今後は精査する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コントロール実験等による裏付けが今後さらに必要ではあるものの、計画当初に期待した結果が出つつあると判断できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の成果として、計画当初に期待した光応答と一致する結果が得られている。しかし現状では、得られた結果が、実際に期待した機構に基づく現象であるかどうかまでは不明であり、精査する必要がある。 そこで平成29年度は、コントロール実験を行い、分光特性、光学特性、電気化学特性等の評価を慎重に進めていく。 期待通りの機構に基づく現象が起きていることが明確にできた場合、作製した光活性電極を用いたセルの全固体化も視野に入れ、従来系よりも高効率な光電変換セルの実現を目指す。
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Causes of Carryover |
初年度に購入を予定していた暗視野顕微鏡について、研究の進捗に伴い、要求されるスペックが、当初計画のものと異なることが明らかとなってきたため、機種の選定および納入が平成29年度にずれ込んだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
初年度に導入予定であった暗視野顕微鏡を購入する。またそれに伴い、進捗する実験に合わせて、実験消耗品や、専攻が所有する共通機器の利用のための支出を予定している。
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Research Products
(2 results)