2016 Fiscal Year Research-status Report
マウス大脳皮質ニューロン数の飛躍的増加による脳機能進化の試み
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16K14569
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
岡戸 晴生 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, プロジェクトリーダー (60221842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 志伸 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, 研究員 (00625189)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | RP58 / OSVZ / AAV |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マウス脳を霊長類型脳に変換する試みを通して、脳の進化メカニズム解明の糸口を得る試みである。霊長類での高次機能の担い手は、大脳新皮質の飛躍的なニューロン数の増加であると推察されるが、実証はされていない。われわれは、転写抑制因子RP58の欠損により、マウス新皮質において、霊長類で特徴的な、細胞増殖層(OSVZ)が見出した。RP58の欠損は、細胞周期離脱を遅延させることから、「細胞周期離脱を抑制することが、神経前駆細胞の著明な増加を惹起する」という仮説をたて検証する。さらに、脳機能を解析することにより、「大脳皮質ニューロン数の増加が、脳機能向上をもたらす」という仮説を検証する。 28年度は、(1)補充法として、RP58FloxマウスとEmxCre発現マウスを交配し、GFP発現ウイルスベクターを妊娠マウスの胎児脳室に微量注入し、RP58を補充することを試みた。これまで、NeuroDプロモータ-RP58プラスミドによる導入で細胞塊が形成されたので、それを発展させ、ウイルスベクターを用いて、RP58を広範に補充する。今回、出生後、P1-P2でアデノ随伴ウイルスを導入したところ、広い範囲でFPの導入に成功し、現在解析中である。(2)抑制解除法:RP58のプロモータ領域にFAST(Stop配列-TetO配列がloxPで挟まれている)マウスのホモマウスを作製したが、OSVZ様構造は、形成されていなかった。従って、この方法は不適当であることが判明した。(3)発現調節法:FASTVマウスからStop配列を除き、TetO配列を上流に持つマウスを作製することができた。今後、tTS発現マウスを理研から購入し、交配し、RP58の発現を抑制しドキシサイクリン投与により、胎生期の様々な時期にRP58の発現を再開させ発現をコントロールする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EmxCreマウスとRP58floxマウスと交配し、出生したマウスP1-P2の段階でGFPを発現するアデノ随伴ウイルスを脳室内注入することにより、広範な細胞にGFPを導入することができた。また、交配を繰り返し、TetOマウスのホモが完成した。従って、ウイルスと変異マウスを用いて、当初の計画を遂行できる。
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Strategy for Future Research Activity |
ウイルスの注入時期をP2からE17まで試み、最も良い条件、時期、つまり、OSVZ細胞にRP58を導入して、細胞移動を促すことができる条件を探す。また、tetOマウスを用いた実験では、実際どの程度OSVZ細胞が検出できるか明らかにする。その後、ドキシサイクリンを投与する時期を検討して、tTSの作用を阻害し、やはり、最もよくOSVZ細胞を成熟させる時期を探す。
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Causes of Carryover |
TTA発現マウスの理研からの購入飼育が遅れており、そのための費用が次年度になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
TTA発現マウスの理研からの購入飼育のための費用に充てる。
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Remarks |
医学研神経細胞分化ホームページ http://www.igakuken.or.jp/project/detail/differentiation.html
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[Journal Article] Altered Tau Isoform Ratio Caused by Loss of FUS and SFPQ Function Leads to FTLD-like Phenotypes.2017
Author(s)
Ishigaki S, Fujioka Y, Okada Y, Riku Y, Udagawa T, Honda D, Yokoi S, Endo K, Ikenaka K, Takagi S, Iguchi Y, Sahara N, Takashima A, Okano H, Yoshida M, Warita H, Aoki M, Watanabe H, Okado H, Katsuno M, Sobue G.
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Journal Title
Cell Rep. 18:1118-1131.
Volume: 18
Pages: 1118-1131
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Phosphorylation of TAR DNA-binding Protein of 43 kDa (TDP-43) by Truncated Casein Kinase 1δ Triggers Mislocalization and Accumulation2016
Author(s)
Nonaka T, Suzuki G, Tanaka Y, Kametani F, Hirai S, Okado H, Miyashita T, Saitoe M, Akiyama H, Masai H, of TDP-43.Hasegawa M. (2016) Phosphorylation of TAR DNA-binding Protein of 43 kDa (TDP-43) by Truncated Casein Kinase 1δ Triggers Mislocalization and Accumulation
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Journal Title
Biol Chem. 291:5473-83.
Volume: 291
Pages: 5473-5483
DOI
Peer Reviewed
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