2016 Fiscal Year Research-status Report
脳内微小環境を人為制御する光応答性バイオマテリアルの開発
Project/Area Number |
16K14577
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
味岡 逸樹 東京医科歯科大学, 統合研究機構(脳統合機能研究センター), 准教授 (10348790)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳発生 / 生体適合性材料 / 微小環境 / 血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の発生、病態、再生過程において、細胞外基質や増殖因子などが特定の場に集積して機能する微小環境が重要な役割を担っている。例えば、脳血管網は、血管表面に局在する因子や分泌物を介して、遊走ニューロンの足場や神経幹細胞の維持機能を担っている。近年、人工的に微小環境を作製できる生体適合性材料が注目を浴びている。申請者らはこれまでに、血管表面に存在する細胞外マトリックス(ECM)ラミニンを材料にスポンジ型材料を作製し、損傷脳への移植で、ニューロンを損傷領域に配置させる技術を開発してきた(Ajioka et al., Biomaterials, 2011; Ajioka et al., Tissue Eng Part A , 2015)。しかしながら、この技術はランダム方向に成形したバイオマテリアルを移植するため、損傷領域へのニューロン配置は偶然的に生じるという欠点がある。本研究では、ニューロンの遊走方向を人為的に操作し、機能的な血管を導くことのできる生体適合性材料の開発を目的とした。本年度は、培養開始前には溶液状態で、培養時にファイバー状になるペプチドタイプの生体適合性材料を作製した。さらに、生体適合性材料の機能を生体外で評価するために、そのアッセイ系を立ち上げた。具体的には、生体外で脳の組織形成を模倣する凝集培養系の条件検討を行い、再現性よく脳組織形成を模倣する実験系を確立した。以上から、来年度以降に計画している実験を遂行するための実験系及び実験材料の作製が順調に進められたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに生体適合性材料を作製し、実験評価系を確立したため
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、研究を推進する。
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Causes of Carryover |
実験評価系の条件検討をスムーズに進められ、実験の試行回数を削減できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初作製予定であった生体適合性材料の種類を増やし、研究のさらなる発展を目指す。
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