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2016 Fiscal Year Research-status Report

カドヘリンによる細胞接着欠損により引き起こされる病態モデル作出

Research Project

Project/Area Number 16K14598
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

小澤 政之  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (90136854)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐藤 正宏  鹿児島大学, 医用ミニブタ・先端医療開発研究センター, 教授 (30287099)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords細胞接着 / カドヘリン / 細胞質ドメイン / 赤色蛍光タンパク質 / キメラ / トランスジェニックマウス
Outline of Annual Research Achievements

赤色蛍光タンパク質とE-カドヘリンの細胞質ドメインのキメラ(DECT)を発現させると、内在性の全てのカドヘリンの細胞表面への輸送が阻害されて、細胞接着が阻害されることを発見した。そこで時期特異的、組織特異的にDECTを発現するトランスジェニックマウスを作ることができれば、細胞接着ができない事により引き起こされる異常を持った変異マウスを作出することができる。そこで、DECTカセットを持ったトランスジェニックマウス(DECTカセットマウス)を作る。このDECTカセットマウスの特定の部位にin vivo エレクトロポレーション法によりCre発現ベクターを導入する。その結果、任意の部位で、Creの発現→DECTの発現→カドヘリンによる細胞接着の破綻、という変化を引き起こす事が可能となる。
以下の成果が得られた。1)DECTをCre-loxP系を使ってin vivoで時期・組織特異的に発現させるための発現カセット、「DECTカセット」発現ベクターの改良型の作製した。「DECTカセット」発現ベクターではDECTの発現を抑えるために、loxPで挟まれたβ-geo遺伝子を使用している。β-geo遺伝子はβ-galとneoの融合タンパク質をコードしている。このベクターの収量が悪かったので、β-geo遺伝子の代わりに蛍光タンパク質GFPとneoの融合タンパク質、GFPneoに置き換えてみた。その結果収量を上げる事ができた。2)これをマウスES細胞に導入し、G418耐性細胞を得た。得られた細胞はβ-geo遺伝子ベクター導入細胞ではβ-galを有することが、GFPneo遺伝子ベクター導入細胞ではGFP蛍光を示す事が確認できた。今後これらのES細胞を使用して,キメラマウスを作製して、トランスジェニックマウス(DECTカセットマウス)を作製する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究開始時、研究推進のための準備は終了していたので、当初の計画以上に進捗しているつもりで開始した。予想に反して、最初の段階でつまずいてしまった。本研究で使用するW4 ES細胞はドイツMax-Planck研究所のRolf Kemler博士の研究室で樹立された細胞である。研究代表者の小澤は、同研究室に滞在し、この細胞の培養方法から始まって遺伝子導入の方法まで修得して来ていた。また、ES細胞培養用のウシ胎児血清、あるいは血清freeの合成培地等の購入も済ませていた。しかるに、準備していた血清や培地を使って培養を始めたところ、全く役に立たないことが判明した。W4 ES細胞が特殊であるとは思われないが、細胞がゲラチンコートしたシャーレに全く結合しなかったのである。このため、予想もしなかったES細胞の培養条件の設定から始めなければならなくなった。このため、実験開始の初期の段階で時間を費やさざるを得なくなってしまった。最終的には培養に適したウシ胎児血清を入手する事が出来たので、遅れを取り戻す事が出来、同時進行させていた「DECTカセット」の改良も順調に進み、本年度の実験はおおむね計画以上に進展させることができたと判断した。

Strategy for Future Research Activity

申請書に記載した以下の方法に準じて実験を行う予定である。
1)DECTカセットを持つES細胞のマウス胚盤胞への注入とTgマウスの繁殖:これまでに得られたDECTカセットES細胞クローンをマウス胚盤胞に注入し、キメラマウスを得る。なお、上述のようにキメラマウスにおけるキメラ性の判定は、組織におけるβ-galactosidase活性、あるいはGFP蛍光を指標にして選別可能である。β-galactosidase活性やGFP蛍光が高いキメラマウス(キメラ性が高い:ES細胞由来の生殖細胞が多いと期待される)を選ぶ。キメラマウスと野生マウスとの交配により,DECTカセットを有するTgマウス系統を樹立する。この系統はβ-geoを発現するが、DECTを発現しない。
2)in vivo エレクトロポレーションによる成体組織へのCre発現ベクター導入:DECTカセットマウス成体(生後8~10週目)あるいは幼体(生後2週目)の組織へのCre発現ベクターの導入を行う。組織特異的にCreを発現させて、その結果組織特異的に発現されるDECTの効果を調べる。DECT発現部位では、DsRed由来の赤色蛍光が認められ、発現のない正常組織とは容易に区別できる。Cre遺伝子導入後、明確な異常の有無に関わらず、導入部位を経時的にサンプリングし、免疫組織化学的、生化学的に調べる。対象としては、遺伝子導入を行わなかった近傍の部位をサンプリングする。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] E-カドヘリンの細胞質ドメインは筋芽細胞において内在性カドヘリンの細胞表面への輸送と細胞融合を阻害する2016

    • Author(s)
      小澤政之
    • Organizer
      第39回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • Year and Date
      2016-11-30 – 2016-12-02

URL: 

Published: 2018-01-16  

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