2017 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of centrosomal long-noncoding RNA in human cells
Project/Area Number |
16K14673
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
北川 大樹 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 教授 (80605725)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中心体 / lncRNA / 次世代シークエンス / 細胞分裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度においては、中心体構成因子の免疫沈降分画もしくは中心体粗精製分画に特異的に濃縮されたlncRNA群のフェノーム解析を行い、細胞分裂期に機能する新規のlncRNA二つを同定することに成功した。両方とも機能未知のlncRNAであるが、片方はRNAiを介した発現抑制により、分裂期紡錘体の形成異常を示す極めて興味深い表現型を示した。中心小体及びそれを取り囲むPCMマトリックスの形成においては、顕著な異常は見られなかったが、紡錘体を形成する微小管の濃度が著しく低下し、その結果染色体分配エラーが観察された。この結果は、中心体の微小管形成活性が部分的に失われている可能性を示唆するものである。特筆すべきは、この表現型は細胞特異性を有することである。これまでの解析から、どのヒトがん化細胞でもある頻度で表現型は観察されるものの、U2OS細胞やPANC1細胞など表現型が顕著な細胞種が存在することが確認された。細胞分裂という極めて基礎的なプロセスにおいて、このように多様な表現型が観察される例はタンパク質ではあまりなく、このlncRNAが組織特異的な機能を有することが予測された。現在はこの表現型の詳細な解析、分子機構に関するデータ取得を進めている。一方、もう一つのlncRNAはその発現抑制により、中心小体の先端部分の構造が一部欠損するという、極めて特異的な表現型を示した。中心小体複製や中心体の機能に直接的な影響は見られないものの、繊毛形成への関与が推測されることから、現在その可能性を実験的に検証している段階である。
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Research Products
(3 results)