2018 Fiscal Year Annual Research Report
Measurement of the entropy of protein structural changes using the millimeter-wave passive thermography
Project/Area Number |
16K14684
|
Research Institution | Gifu Women's University |
Principal Investigator |
岸上 明生 岐阜女子大学, 家政学部, 教授 (40261177)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
莅戸 立夫 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 准教授 (00261149)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ミリ波 / 放射温度計 / タンパク質構造変化 / 自由エネルギー / ガラス転移 / ガラス転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度の実績と計画見直しを踏まえて、計測システムの最適化とデータの解析と新たな挑戦を始めた。本年度の研究成果は、以下の通りである。 (1) H29年度に構築した理論に基づいて、タンパク質構造中間体に由来する放射係数を求めた。BSAと電波吸収体(放射率;0.79)の測定結果より、BSAの160K以下の線形領域の放射率が0.05で、250K以上の線形領域の放射率が0.10と推定された。(2) 20%BSA溶液の測定結果より、190K付近を境にした 2状態遷移モデルが考えられた。190K付近は、BSAのガラス転移点として知られている値に相当すると考えられる。一般に、非平衡状態で測定するガラス転移点は、ある温度範囲であり、また温度変化速度でも変わる。したがって、今回の測定の再現性や安定性について検討を行った。測定システムの冷却方法、プローブとチャンバーの設置手順、チャンバーの絶縁処理などの影響を検討し、高い再現性の測定を実施する操作条件・手順を確立した。(3) 測定方法の信頼性を確認するために、様々な濃度のBSA溶液の測定を試みた。10%~30%の濃度範囲の試料の測定で適当な放射強度の結果になることを明らかにした。(4)複数の測定ごとの結果を比較する場合、測定回ごとのずれを排除しなければならない。信頼性を確保する解決方法として、条件の異なる複数の試料を同時に測定する方法に挑戦することにした。4つの孔(直径1mm,深さ2.2mm)を持つ試料ホルダーを設計し、改良された計測システムを使って複数試料の同時測定と結果の画像表示を備えた方法の開発を試みた。 以上のような研究経緯の中で、本測定システムがタンパク質カロリメトリーに使える新しい方法であると示す研究成果をまとめて、国際会議で口頭発表し、さらに、国際学術雑誌で研究論文として出版した。
|
Research Products
(4 results)