2019 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction of sterol metabolic pathways based on the discovery of novel glycosylated sterols in the brain
Project/Area Number |
16K14687
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平林 義雄 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 客員主管研究員 (90106435)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ステロール / 糖化ステロール / 糖脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、前年度までに見出した脳内新規糖化ステロール群について、発生に伴う発現変動の解析を行った。胎生12日目~生後10週目のマウスの脳から抽出した脂質を用いて、高速液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法(LC-MS/MS)で糖化ステロールを定量した。その結果、脳内新規糖化ステロール群の一種であるグルコース化コレステロール(GlcChol)とガラクトース化コレステロール(GalChol)は、胎生12日~生後10週の期間を通して発現しており、発達に伴って発現量が変動することが明らかになった。GlcCholは発達に伴ってゆるやかに増加したのに対し、GalCholは、ミエリン形成開始時期に一致する生後10日目以降に著しく増加した。ミエリンの主要な構成成分の1つである糖脂質・ガラクトシルセラミド(GalCer)も生後10日目以降に著しく発現が増加した。GalCholが発現するグリア細胞でGalCer合成酵素をノックダウンしたところ、GalCerならびにGalCholの発現量が低下した。このことから、GalCholの発現がGalCer依存的であり、GalCholがミエリンに存在する可能性が示唆された。また、GalCholが発現するグリア細胞で酸性グルコシルセラミド分解酵素(GBA1)と中性グルコシルセラミド分解酵素(GBA2)をそれぞれノックダウンしたところ、どちらの条件においてもGalCholの発現量が低下した。この結果は、前年度までに取得したGBA1ノックアウト動物、ならびにGBA2ノックアウト動物の脳におけるGalCholの分析結果に一致していた。
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[Journal Article] Glucocerebrosidases catalyze a transgalactosylation reaction that yields a newly-identified brain sterol metabolite, galactosylated cholesterol2020
Author(s)
Akiyama, H., Ide, M., Nagatsuka, Y., Sayano, T., Nakanishi, E., Uemura, N., Yuyama, K., Yamaguchi, Y., Kamiguchi, H., Takahashi, R., Aerts, J. M. F. G., Greimel, P. and Hirabayashi, Y
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Journal Title
Journal of Biological Chemistry
Volume: 295
Pages: 5257-5277
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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