2016 Fiscal Year Research-status Report
Understanding for Alzheimer's disease pathogenesis involved in ApoE4 and X11L genes by large scale of expression analysis of genes
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16K14690
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 利治 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (80179233)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / ApolipoproteinE / X11-like |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病(AD)の発症危険因子として、アポリポプロテインE4(ApoE4)が知られているが、ApoE4が寄与するAD発症機構は明らかではない。近年の研究から、ApoE4による遺伝子発現制御の存在が明らかとなり、AD患者においてその制御変化が認められ、更にその制御因子としてAPP結合因子として我々が同定したX11Lが見出された。本研究では、マウス脳においてApoE4及びX11Lが制御する遺伝子を明らかにすると共に、その制御機構のAD発症への寄与を解明することを目的とした。平成28年度において、まず、ApoE及びX11Lが高発現する発生時期として、生後7日目であることを同定した。同時期の脳サンプルをX11L遺伝子ノックアウトマウス及びヒト型ApoE4(およびApoE3)を発現するノックインマウス、及びこれらを交配したマウスから採取し、発現遺伝子をmRNA-seqにより網羅的に解明した。これらの中から、ApoE4及びX11Lが関与する遺伝子群として、ApoE4-KIマウスで発現が変化しApoE4/X11L-KOで変化が打ち消される遺伝子の解析を行い、1,774遺伝子を同定した。これらの内、発現増加、及び減少を認めた20遺伝子について、RT-qPCRによる検証実験を行った結果、mRNA-seqと同様の発現変化が認められた。このことから、mRNA-seqによる結果を用いた以下の解析を進めることとした。AD発症への寄与を明らかとすることを目的とし、LOAD患者及びApoE4キャリアで発現が変化した遺伝子を公知データから取得した結果170遺伝子を得た。更に、これらと重複して発現が変化する遺伝子を探索した結果、54遺伝子を同定した。これらについて、Gene Ontology解析を行った結果、ApoE4及びX11Lが寄与する遺伝子群は、分子の輸送に関わることを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Late onsetのアルツハイマー病に関わる新たな遺伝子群とそれらに共通するプロモーターを同定できたため。見いだした遺伝子群は、世界的に未発表であり、特許の取得およびTop Journalへの成果の発表が期待できる、X11Lは本研究室で見いだした遺伝子であり、公開および未公開の多くのデータを所持しており、挑戦的で独創的な研究を展開できる期待が持てる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に同定した遺伝子群について、その発現変化に寄与する共通の分子機構があるのか、バイオインフォマティクスを用いてプロモーター解析を行う。パスウェイ解析等も同様に行うことで、AD発症に寄与する分子機構の同定を進める。また、ApoE4及びX11Lを神経細胞に発現させ、Aβペプチド産生機構の寄与について明らかにする。更に、上記により明らかとする共通分子機構に関連した遺伝子のノックダウンもしくは過発現を行い、ApoE4及びX11L発現によるAβペプチド産生変化を検証することで、同定した分子機構のAD発症への関与について明らかとする。
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Causes of Carryover |
ゲノム解析が充当に進み、RNAseq等の費用が予想より少なくて済んだため。次年度使用額は、次年度に行う生化学的解析は消耗品が高額であるため、生化学的解析を充実させ成果を増やすようにする。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後行う予定のプロモーターのレポーターアッセイ、培養細胞培養に必要名血清・培地類の購入。遺伝子発現用のトランスフェクション用試薬。解析に用いる初代培養神経細胞の調整など、消耗品費に充当する。また、成果の一部は、遺伝子名等の詳細情報を未公開で、AAIC2017(7/16-7/20/2017, London)で発表するための経費として計上する。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Facilitation of brain mitochondrial activity by 5-aminolevulinic acid in a mouse model of Alzheimer's disease2017
Author(s)
Omori C, Motodate R, Shiraki Y, Chiba K, Sobu Y, Kimura A, Nakaya T, Kondo H, Kurumiya S, Tanaka T, Yamamoto K, Nakajima M, Suzuki T, Hata S.
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Journal Title
Nutritional Neuroscience
Volume: 20
Pages: 538-546
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Specific triazine herbicides induce amyloid β42 production.2016
Author(s)
ortlius E, Durieu E, Bodin M, Cam M, Pannee J, Leuxe C, Mabondzo A, Oumata N, Galons H, Lee J-Y, Chang Y-T, Stuber K, Koch P, Fontanine G, Potier M, Manouspoulou A, Garbis S, Covaci A, VanDam D, De Deyn P, Karg F, Flajolet M, Omori C, Hata S, Suzuki T, Blennow K, Zetteberg H, and Meijer L.
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Journal Title
Journal of Alzheimer's Disease
Volume: 54
Pages: 1593-1605
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Altered Cortical Dynamics and Cognitive Function upon Haploinsufficiency of the Autism Linked Excitatory Synaptic Suppressor MDGA22016
Author(s)
Connor SA, Ammendrup-Johnsen I, Chan AW, Kishimoto Y, Murayama C, Kurinhara N, Tada A, Ge Y, Yan R, LeDue JM, Matsumoto H, Kiyonari H, Kirino Y, Matsuzaki F, Suzuki T, Murphy TH, Wang YT, Yamamoto T, Craig AM.
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Journal Title
Neuron
Volume: 91
Pages: 1052-1068
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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