2018 Fiscal Year Annual Research Report
Piezoelectric effect in proteins: a novel mechanism of allostery
Project/Area Number |
16K14715
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高野 光則 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40313168)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アロステリック機構 / 圧電応答 / 分子機械 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)昨年度に続き、タンパク質分子間の静電相互作用に多大な影響を与える水の局所誘電率解析を行った。 WCAポテンシャルを導入して疎水粒子および疎水平板近傍の水の局所誘電率を解析した。疎水表面近傍で水の誘電率が低下は近年の実験で示されていたが、その物理描像は「水の水素結合ネットワークが疎水表面近傍で強化され水がice-likeになっている」というものであった。そこで、MDシミュレーションとOnsager-Kirkwood-Frohlich理論によって水の局所誘電率を算出した。その結果、疎水表面近傍では水の誘電率が低下することが示され、さらに誘電率低下は疎水表面近傍の水がice-likeになっているためではなく、vapor-likeに振る舞っているためであることが示された。また、この誘電率低下により、疎水表面近傍にある電荷間の静電引力が増強されることが分かった(Sato, et al., Phys. Rev. Lett., 2018)。 (2)「誘電・圧電アロステリー」の解析をさらに進めた。まず、ATP加水分解によるアクチンの誘電アロステリーを解析し、誘電アロステリーがアクチン結合タンパク質(コフィリン)との分子間相互作用に与える影響を解析した。その結果、誘電アロステリーにより、アクチン-コフィリン間の結合が強まる(~3 kT)ことが分かった(論文準備中)。また、フィラメントに張力を印加するMDシミュレーションの追加計算を行い、解析結果の統計的信頼性を高めた。さらに、電子伝達を担うシトクロームP450還元酵素(CPR)についても誘電アロステリーの解析を行った。その結果、CPRの電子伝達の制御にも誘電アロステリーが関与していることが分かった(論文投稿準備中)。
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Research Products
(7 results)