2016 Fiscal Year Research-status Report
広視野高速3D分子マッピングのためのスナップショットラマン分光顕微鏡の開発
Project/Area Number |
16K14717
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
市村 垂生 国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 上級研究員 (50600748)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 顕微分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生体組織試料の分光イメージングの実現を目指し、広視野・高速・3 次元のハイパースペクトルイメージング法を開発する。従来の、レーザー走査によって試料内を1 点ずつ励起し分光検出する方法が長い時間を要するのに対し、本研究では視野内を同時にスナップショットで分光イメージングする光学系を提案する。多数の波長成分を含んだ広視野の画像を画像のまま分光し、得られた画像データからハイパースペクトル画像(空間2次元+波長1次元)を数学的に回復する。これにより、従来の数千倍の速さでの分光イメージングを実現することを目標とする。本手法は、蛍光分光およびラマン分光イメージングを含む、様々な分光イメージングを高速化できるため、幅広い応用が期待できる。28年度は、高速分光イメージングの要素技術開発として、顕微鏡装置を設計・試作し、そのスペクトル画像取得の可能性の実証に取り組んだ。試作器として、全反射型蛍光顕微鏡と分散型分光器を組み合わせた分光顕微鏡システムを構築し、新規開発の光学素子を導入し、多数の分光像を取得した。試料として、異なる7色の半導体量子ドットを用い、基板上に二次元に分散した量子ドットの多色蛍光像を取得した。提案する解析アルゴリズムにより、ハイパースペクトル像を取得することができた。また、ハイパースペクトル画像回復の精度を向上するために、試料の分布やスペクトル構造の先験情報の利用を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画では、基礎光学系の構築を初年度の取り組みとしていた。また、解析方法についても基礎的なアルゴリズムの構築を予定した。これらが概ね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度は、当初の計画の通り、顕微鏡光学系の構築、条件最適化に取り組む。ある程度開発が進んだ段階で、本イ メージング法の、生命科学への有効性を示すために、生きた細胞塊や組織の観察に取り組む。
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