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2016 Fiscal Year Research-status Report

The development of knock-down system in plant mitochondria

Research Project

Project/Area Number 16K14756
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

八木 祐介  九州大学, 農学研究院, 学術共同研究者 (60612421)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
KeywordsRNA / ミトコンドリア
Outline of Annual Research Achievements

植物ミトコンドリアは、呼吸によるATP生産だけでなく、代謝経路としての役割や生殖制御において非常に重要な役割を持っている。ミトコンドリアは独自のゲノムを持ち、核により厳密に発現が調節されている。多くの細胞生物学の研究は、遺伝子破壊による表現型から遺伝子の機能を推定してきた。その研究の組み合わせにより現在の細胞生物学の発展がある。一方、植物ミトコンドリア研究において、ミトコンドリア遺伝子を直接操作する手法はなく、個々の遺伝子の植物生理への役割については全く解析されていない。申請者らのこれまでの研究から、植物ミトコンドリアの遺伝子発現は、RNA結合蛋白質であるPPRタンパク質による転写後調節を介して行われていることを明らかにしてきた。本研究では、そのPPRタンパク質を利用して植物ミトコンドリアの遺伝子発現を人為的に操作することを目指す。
PPRタンパク質は、植物に広くかつ多く存在しているRNA結合タンパク質である。そのほとんどは、葉緑体、ミトコンドリアに局在し、原則1:1の関係で配列特異的にRNAへ結合し機能調節している。申請者らは、これまでの研究からPPRタンパク質がどのようにして配列特異的に結合しているかを明らかにした。そのルールを応用することで、任意の配列に結合するPPRの作成手法についても開発中である。本研究では、様々なミトコンドリアRNAに標的する分子を作成し、RNaseのようなRNA分解ドメインと融合した人工PPR分子を作成し、植物に導入することで、様々なミトコンドリアノックダウン株を作成していく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

天然のRNA編集型PPRとRNaseを融合することでミトコンドリア遺伝子特異的なリボヌクレアーゼを開発する。天然型のPPRは、RNA編集型(PLS型)と強くRNAに結合し他因子の侵入を抑制するタイプ(P型)の2パターンあることが分かっており、それぞれでPPRのアミノ酸組成が異なる。まずはRNA編集型のPPRについてRNaseを融合しmRNAを分解する能力があるのか検証を行った。植物のミトコンドリアへ直接導入するのは困難なため、まずは動物培養細胞を用いてmRNAの分解が可能か試した。RNA編集型PPRを2つ用意しそれらにRNaseを融合したタンパク質発現プラスミドを作成、さらにレポーター遺伝子に標的配列を挿入したレポータープラスミドを作成した。動物培養細胞に共導入し、レポーター遺伝子の発現量を解析した。結果、10%程度の分解活性しか認められなかった。さらに、PPRとRNaseとの間のリンカーを10パターン試したが、顕著な性能向上は見られなかった。さらに、RNase部分の改良も行っている。融合するドメインを3種類試し、1つで20%程度まで阻害効果を示すものがえられた。PLS型では難しい可能性も見えてきたので、現在P型について検証を行っている。また、標的特異的なPPRを構築する手法についても進めており、実際にミトコンドリア遺伝子に標的するPPRの作成も平行して行っている。今後、それらの結合特異性を検証するとともに、RNase融合によるmRNA分解を実証していく。

Strategy for Future Research Activity

本研究の完成には、PPR部分の改良、Nuclease部分の改良の2点が必要であることが分かってきた。PPR部分に関しては、PLS型にこだわらずP型についても試し、実験を進めていく。また、Nucleaseについては、最近天然型P型PPRの中でもSMRドメインが融合しているものがエンドヌクレアーゼ活性を持っていることが報告されている。他にも、天然のPPR中にはRNaseが融合しているものが見つかっている。そこで、このようなPPRと相性が良さそうなRNaseについても積極的に試していく。PPR部分の改良については、結合強度に関わる部位、特異性に関わる部位が判明しているので様々な変異パターンを用意し、試していく。また、リンカーについても再度試す。これまでは、GSリンカーなどフレキシブルな素材を利用していた。これによりPPRとRNaseドメイン間の可変性が高いため上手くRNAへアクセスできていないのではないかと考えた。そこで、今後はリジットな構造をとるリンカーを試していく。PPRとRNase部位がこれらをすでに構築している動物培養細胞でのレポーターアッセイを通して実験、改良を行い、ミトコンドリアノックダウンPPRライブラリーを作成する。誘導型プロモーターなどを搭載し、植物に形質転換後、表現型や実際の標的RNA量、タンパク質量を調べ、植物ミトコンドリア遺伝子ノックダウン植物のライブラリー構築を行っていく。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] PPR蛋白質を利用したRNA操作ツールの開発2016

    • Author(s)
      八木祐介、中村崇裕
    • Organizer
      日本分子生物学会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜
    • Year and Date
      2016-11-30 – 2016-12-02
    • Invited

URL: 

Published: 2021-01-27  

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