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2016 Fiscal Year Research-status Report

植物の連続光障害の克服に向けた分子遺伝学的研究

Research Project

Project/Area Number 16K14763
Research Institution岡山県農林水産総合センター生物科学研究所

Principal Investigator

後藤 弘爾  岡山県農林水産総合センター生物科学研究所, その他部局等, 専門研究員 (00251489)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords植物の連続光障害 / トマトゲノム / 概日リズム / 光障害
Outline of Annual Research Achievements

栽培トマト品種の中で連続光障害耐容性を示すMicro Tom(MT)と連続光障害感受性のAilsa Craig(AC)とを交配して得られた14交配プールのF2、436株について連続光下で栽培し、連続光障害耐性株のスクリーニングを行った。その結果、6週間の連続光栽培で耐容性を示す個体を56株得ることができた。これらについて、Velez-Ramirez et.al. (2014)の論文にあるCab13遺伝子の関与を確認するため、Genotypingを行った。その結果、MT型ホモが14系統、AC型ホモが10系統、ヘテロ型が32系統であることが明らかとなり、少なくとも我々が観察している表現型とCab13遺伝子型とは直接関係がないことが示唆された。さらに染色体マッピングを行ったところ、AC型が2、3,6,7,10,12番染色体に集積していることが明らかとなったが、同時にトマトの染色体マッピングの問題点も見つかった。したがって、次年度予定していた詳細な染色体マッピングは中止し、次世代シークエンサーによるSNP解析に基づく塩基変異検出法に切り替え、変異遺伝子の検出を目指すこととした。
次に、主にアラビドプシスで解析された、時計関連遺伝子のホモログ遺伝子をトマトゲノム上から45遺伝子ピックアップし、8時間明期16時間暗期(8L16D)条件で栽培したAilsa Craigの葉における日周発現変動解析を定量的real-time PCRを用いて行い、実際に概日リズムを示す30遺伝子を絞り込んだ。これらの遺伝子の日周発現変動解析を、Micro Tom、Ailsa Craigそれぞれについて、8L16D条件、連続光条件で行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Micro Tom(MT)とAilsa Craig(AC)との交配F2を用いた、連続光障害耐容性遺伝子に関するマッピングにおいて、各系統特異的なゲノムマーカーをSNPやSSRに基づいて作成したが、ゲノム情報の誤りや装置の検出限界感度により、実際に機能したのは、設計したものの半分以下であった。また、低精度の染色体マッピングにおいてではあるが、トマト染色体12リンケージの内6リンケージに広くマッピングされた。従って、本手法の実験精度では最終的に遺伝子座特定に至らないと考え、より可能性が高いと考えられる次世代シークエンサー(NGS)を利用するSNP解析法に切り変えることとした。ただし、NGSの利用には費用がかさむことから、コストダウンを計る必要がある。
いわゆる時計遺伝子の網羅的発現をトマト葉で初めて解析を行った。先行研究例がなく、概日リズムを示す遺伝子の検出から始めた。また、品種間差や明暗条件と連続光条件という栽培条件間での明瞭な差異は検出できなかったが、それぞれの品種や条件下で同じパターンを示したわけでもなかった。そこで、発現変動パターンをより詳細に解析する必要があると考え、その手法の検討を含め次年度により詳細な解析を行うこととした。

Strategy for Future Research Activity

本研究の途中で、連続光栽培しているAilsa Craig(AC)に対し、青色LEDを補助光として、12時間点灯、12時間消灯というサイクルで照射すると、連続光障害が低減されることを見いだした。また、この効果は赤色や近赤外LEDではみられなかった。以上のことから、青色LEDによる点滅周期が、トマトの概日リズムもしくはそれに関連する応答機構に働いて、概日リズムの変調に起因する連続光障害を低減していることが示唆された。これは、青色光受容体やその下流遺伝子群の、概日リズムに呼応した発現と連続光障害との間の関連も示唆している。以上のことを踏まえ、次年度以降は時計遺伝子の発現解析や遺伝子座の特定に関して、青色光受容体やその下流遺伝子群を中心に進めていく計画である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2017 2016

All Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Presentation] Functional analysis of Tomato florigen paralog SP6A.2017

    • Author(s)
      Chie Moriya, Mizuki Yamada, Koji Goto
    • Organizer
      第58回日本植物生理学会年会
    • Place of Presentation
      鹿児島大学郡元キャンパス
    • Year and Date
      2017-03-16 – 2017-03-18
  • [Presentation] Functional analysis of Tomato florigen paralog genes: To understand the flowering habit of tomato.2016

    • Author(s)
      C. Moriya, M. Yamada and K. Goto
    • Organizer
      CSHA Meeting: Latest Advances in Plant Development & Environmental Response
    • Place of Presentation
      Awaji Yumebutai Conference Center, Japan
    • Year and Date
      2016-11-29 – 2016-12-02
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Functional analysis of Tomato florigen paralog SP6A2016

    • Author(s)
      C. Moriya, M. Yamada and K. Goto
    • Organizer
      The 13th Japan Solanaceae Consortium JSOL2016
    • Place of Presentation
      International Christian University, Mitaka, Japan
    • Year and Date
      2016-11-25
  • [Presentation] Functional analyses of a tuberigen homologue in tomato.2016

    • Author(s)
      C. Moriya, M. Yamada and K. Goto
    • Organizer
      The 13th Solanaceae Conference SolGenomics: From Advances to Applications
    • Place of Presentation
      U.C. Davis. California USA
    • Year and Date
      2016-09-12 – 2016-09-16
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-01-16  

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