2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of histone modifications without using specific antibodies.
Project/Area Number |
16K14785
|
Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
立和名 博昭 公益財団法人がん研究会, がん研究所 がん生物部, 研究員 (70546382)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ヒストン / クロマチン / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は透過性細胞のクロマチンに取り込ませたヒストンを回収し、DNA配列および共沈降したタンパク質群を決定する手法の確立を行なった。透過性細胞は培養細胞を界面活性剤にて処理した細胞である。細胞膜および核膜に孔があいているため、外からタンパク質の様な高分子を透過性細胞中に加えることができる。透過性細胞を作製した際に多くの可溶性タンパク質は除かれてしまうが、不溶性であるクロマチンおよびクロマチンに結合しているタンパク質は透過性細胞中に残っている。そのため、加えたタンパク質を透過性細胞のクロマチンと反応させることが可能である。本研究では透過性細胞に試験管内再構成したヒストン複合体を加え、透過性細胞のクロマチンに取り込ませる手法を確立した。ヒストン複合体にエピトープタグを付加しておくことで、特異的な抗体を用いずにエピトープタグに対する抗体により検出および回収することができる。本年度は、透過性細胞のクロマチンに取り込ませたヒストン複合体をクロマチン免疫沈降法により回収し、沈降したDNA配列を次世代シーケンサーにより決定する実験系を確立した。その結果、100万個程度の細胞から、配列決定に十分な量のDNAを回収することに成功した。また、クロマチン免疫沈降により沈降させたクロマチンをエピトープタグのペプチドにより溶出を行い、共沈降したタンパク質群を質量分析により同定することにも成功した。以上のことから、試験管内再構成するヒストンにエピトープタグおよび化学修飾を付加させておくことで、特定の化学修飾を持つヒストンが取り込まれたクロマチンの領域およびその結合因子を化学修飾特異的な抗体を用いずに解析することが可能となった。
|
Research Products
(5 results)