2017 Fiscal Year Annual Research Report
Possible roles of the epitranstomic plasticity in establishing the host-symbiont relationship in the primary endosymbiosis
Project/Area Number |
16K14788
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
松尾 充啓 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 特任助教 (70415298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小保方 潤一 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50185667)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞内共生進化 / エピトランスクリプトーム / 有殻アメーバ / RNAシュードウリジン化 / シアネレ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、進化史上比較的最近にシアノバクテリアを取り込んで真核光合成生物となった有殻アメーバをモデルに、一次細胞内共生進化における「ゲノムの機能的統合」と「RNA修飾・エピトランスクリプトーム制御」の関わりを、最新のゲノム科学的アプローチにより、明らかにすることを目的にしている。平成29年度においては、次世代シーケンサーを用いた有殻アメーバの光合成オルガネラ(シアネレ)のトランスクリプトーム解析とRNAのシュードウリジン化修飾を包括的に解析するPseudo-Seqを実施した。前者においては、世界で初めて、一次細胞内共生進化の初期段階にある光合成オルガネラの転写物の全容が明らかになった。その解析から、シアネレとシアノバクテリアが類似した遺伝子発現パターンを持つことが示され、シアネレが遺伝子発現レベルで、祖先種である共生シアノバクテリアの特性を強く残していることが判明した。Pseudo-Seq解析においては、既存の手法をそのまま有殻アメーバの微量サンプルに適用することが極めて困難であることが、予備実験より示唆された。そこで、磁気ビーズによる核酸サイズ分画法を組み合わせた、必要RNA量が一桁以上少なくても済む新規の微量型Pseudo-Seqライブラリ作成系の開発を試み、最終的に有殻アメーバを含む54(27試料、2処理区)の微量サンプルのPseudo-Seqライブラリの構築に成功した。現在、それらのシーケンス解析を行っている。Pseudo-Seq解析は、RNAシュードウリジン化という全生物界で見られる普遍的な現象を包括的に検出する手法としてCarlileらにより2014年に初めて報告されたものの、煩雑な実験手順、大量のRNAを要求する等の問題を持ち、現在においても実験系の改善が望まれる状態にある。これらの問題についても本研究は、新たな解決手法を提案した。
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Research Products
(1 results)